NVIDIAの“次候補”を日本ETFで買える?408A・552A・223Aを構成銘柄から逆引き

NVIDIAの投資・提携先を408A・552A・223Aで逆引き比較する記事のアイキャッチ

NVIDIAやジェンスン・フアン氏の発言、投資、提携先を追って「次に重要になりそうな企業」を調べていたら、CoreWeave、Nebius、Lumentum、Marvell Technology、CrowdStrike、Coherentなどが候補として残りました。

ただ、ここで別の問題が出てきました。

これ、全部個別株で買うのか。

私は以前は米国株を直接保有していましたが、現在はその運用から撤退しています。候補が6社、10社と増えるたびに米国個別株へ戻るのは、管理の手間も増えます。

そこで今回は、普通のETF比較とは逆の順番で調べました。

「このETFには何が入っている?」ではなく、「自分が欲しい企業は、どの日本ETFに入っている?」

欲しい銘柄からETFを逆引きします。

先に結果を書くと、主対象6社の捕捉数は408Aが4社、552Aが2社、223Aが2社でした。候補企業の構成比合計も、概算で408Aが約9.0%、552Aが約5.3%、223Aが約2.1%です。

ただし、これは「408Aが一番良いETF」という話ではありません。同じAI ETFでも、3本は企業を拾う理由がかなり違いました。

NVIDIAから「次」を探していた

この企画の出発点は、別記事のNVIDIAは“次に来る企業”を先に見抜いているのか?で行った行動分析です。

ジェンスン・フアン氏の発言だけではなく、NVIDIA自身がどこへ資本、技術、発注を入れているのかを追いました。

その中で今回の主対象にしたのが次の6社です。

  • CoreWeave:NVIDIAが追加投資し、複数世代のGPU採用や大規模AI factory計画まで関係が深い
  • Nebius:NVIDIAが出資し、AIクラウドと大規模NVIDIAシステム展開で提携
  • Lumentum:NVIDIAが20億ドルを投資し、光通信の長期購入・技術協力まで踏み込む
  • Marvell Technology:20億ドル投資、NVLink Fusion、カスタム半導体、シリコンフォトニクスで提携
  • CrowdStrike:資本参加ではなく、NVIDIA Agent ToolkitやNemotronを使う技術協業
  • Coherent:NVIDIAが20億ドルを投資し、光ネットワーク分野で長期購入・技術協力

重要なのは、この6社を「おすすめ銘柄」として選んだわけではないことです。

NVIDIAが関わっているから株価が上がるとも限りません。実際、元記事ではNVIDIAの投資先を過去にさかのぼると、その後の株価は大幅上昇も大幅下落もありました。

ここでは「NVIDIAの行動を追った結果、調査対象として浮かんだ企業」をETF側から逆引きします。

でも、全部個別株で買うのは面倒

6社だけなら個別株で買うこともできます。

ただ、NVIDIAの周辺をさらに追えば、Astera Labs、Vertiv、Arm、Applied Digital、SoundHound AIなど候補は増えていきます。上場準備中のNscaleのような企業まで入れると、ウォッチ対象はさらに広がります。

しかも、企業ごとに決算、株価、為替、売買タイミングを管理する必要があります。

私は米国株の直接保有からいったん撤退しているので、「候補が増えたから、また米国個別株を何社も買う」という方法は今回の目的と合いません。

なら、まとめて持てる商品はないのか。

米国ETFならCHATがかなり近かった

米国ETFまで広げると、今回の発想にかなり近い商品もありました。Roundhill Generative AI & Technology ETF(CHAT)です。

直近構成では主対象6社のうち少なくとも5社を拾っています。ただ、私は米国株の直接保有から撤退しているため、CHATそのものを買うことより「同じ発想を日本上場ETFで再現できないか」を調べることにしました。

そこで東証上場ETFの408A、552A、223Aを逆引きしました。

日本で買えるAI ETFを「欲しい銘柄」から逆引き

主比較に残したのは3本です。

408A「iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF」

552A「MAXIS米国AIインフラ株上場投信」

223A「グローバルX AI&ビッグデータ ETF」

ETF側から見ると、どれも「AI関連」です。

しかし、今回の6社を先に置いて逆引きすると違いがはっきりしました。

候補企業×ETFの重複表

項目 408A 552A 223A
CoreWeave 約1.6% 約3.0% 約0.3%
Nebius — 約2.3% —
Lumentum 約2.8% — —
Marvell 約2.5% — 約1.8%
CrowdStrike 約2.1% — —
Coherent — — —
捕捉数 4/6 2/6 2/6
候補6社の比率合計 約9.0% 約5.3% 約2.1%
408A保有者が追加で拾える主対象 — Nebius なし

構成比は2026年9月下旬の公開情報を基にした概算です。408Aと223Aは実質投資先の米国ETF構成、552AはPCFの株式部分から計算しているため、完全な同一条件ではありません。また、アクティブETFを含むため組入れは変わります。

ここで一番分かりやすいのは、同じ「2社捕捉」の552Aと223Aでも中身が違うことです。

552AはCoreWeaveとNebiusというAIクラウド・AIインフラ側を約5.3%持っています。

223AはCoreWeaveとMarvellを持つものの、CoreWeaveは約0.3%。候補6社へのエクスポージャーは合計約2.1%です。

重複数だけではETFの性格は分かりません。

408Aは「NVIDIAから逆算した候補」と運用者の選択が重なった

408Aはすでに別記事で単独分析しているので、ここでは商品説明を繰り返しません。

今回面白いのは、NVIDIA側から逆算して選んだ6社と、アクティブ運用者が選んだ企業が4社重なったことです。

CoreWeave、Lumentum、Marvell、CrowdStrike。

しかも、合計は約9%あります。

408AはAIの「インフラ、インテリジェンス、アプリ・サービス」まで見ながら、運用チームがボトムアップで企業を選ぶアクティブETFです。

NVIDIAの行動を追うと、GPUの次に高速ネットワーク、光通信、AIクラウド、セキュリティへ資金が動いていました。

408Aの運用者も、結果として似た場所を見ています。

これはNVIDIAが正解を教えているという意味ではありません。むしろ、「AIが伸びると次にどこが制約になるか」を考えると、別ルートの調査でも同じ企業へたどり着く場合がある、と見る方が自然です。

一方でNebiusとCoherentは入っていません。

408Aだけで候補群を全部取れるわけではありません。

552Aは「次のAIソフト企業」ではなく、AIを動かす設備を取る

552Aは408Aと発想がかなり違います。

連動対象はNYSE FactSet U.S. AI Infrastructure Index。クラウドインフラ、データセンター、電力公益、電気・電力機器、エネルギーインフラ、産業用電気機器、半導体などから30銘柄を選びます。

直近の上位にはMicron、AMD、NVIDIA、TSMC、Emerson Electric、Equinix、Eaton、Oracle、Digital Realty、GE Vernovaなどが並びます。

今回の6社ではCoreWeaveとNebius。

つまり、552Aを「AI企業を広く買うETF」と見ると分かりにくい。

AIが伸びるほど必要になる計算資源、データセンター、電力、ネットワーク、設備を取りに行くETFと見ると分かりやすいです。

NVIDIAの記事で見えてきた「GPUの外側へボトルネックが移る」という話ともつながります。

ただし、半導体やデータセンター関連ETFをすでに持っている人は、名前が違っても実質的なリスクが重なる可能性があります。

223AはAI・ビッグデータを広く取る

223Aはさらに違います。

Indxx Artificial Intelligence & Big Data Indexに連動し、実質投資先のAIQは約90銘柄規模。AI・ビッグデータというテーマを広く取る設計です。

今回の主対象ではMarvellとCoreWeaveが入っています。

ただ、CoreWeaveは約0.3%です。

一方でMicrosoft、Meta、Alphabet、Amazon、NVIDIAなどの大型テックも幅広く入ります。

これは悪いことではありません。むしろ「AIテーマ全体を広く持ちたい」なら設計に合っています。

しかし今回の目的は「NVIDIAそのものや既存メガテックではなく、その周辺で次に重要になる企業を拾えるか」です。

その狭い目的では、223Aの広さが逆に薄まりにつながります。

「NVIDIAの次」を探したのに、結局NVIDIAとBig Techだらけにならないか

今回、もう一つ確認したかったのがここです。

AI ETFを買ったつもりが、中身を見るとNVIDIA、Microsoft、Alphabet、Amazon、Metaで大部分を占めているなら、「次の企業を拾う」という今回の目的から離れます。

この5社の直近比率を概算すると、408Aは約11.5%、552Aは約5.3%、223Aは約15.3%でした。

552Aでは、この5社のうち実質的に大きく入るのはNVIDIAで、Microsoft、Alphabet、Amazon、Metaは構成30銘柄に入っていません。

逆に223Aは大型テックを広く持ちます。

ここでも優劣ではなく、設計思想の違いです。

AI市場全体を広く取るなら大型テックを外す理由はありません。

「NVIDIAの次」を探すという今回の目的なら、Big Tech比率は低い方が意図に近い可能性があります。

既に408Aを持っているなら、223Aより552Aの方が「差分」は大きい

ここは私自身の保有状況へ戻して考えます。

私は408Aを保有しています。

今回の主対象6社だけで見ると、408AはCoreWeave、Lumentum、Marvell、CrowdStrikeの4社をすでに持っています。

ここへ223Aを追加しても、増える候補企業はゼロです。

223Aが持つCoreWeaveとMarvellは、どちらも408Aに入っています。

一方、552Aを追加するとNebiusが新たに加わります。

408A+552Aなら、主対象6社のうち5社を捕捉できます。残るのはCoherentだけです。

今回の6社だけを見ると、408Aと223AはCoreWeaveとMarvellが重複します。一方、552Aは408AにないNebiusを追加できます。ETF全体では別の銘柄も重なるため、この6社だけで分散効果までは判断できません。

既に408Aを持つ私にとっては、223Aを足すことは「別の商品を買う」ことではあっても、今回の目的では新しい候補を増やすことにはなりません。

552AはNebiusとAIインフラ設備側を追加できるので、目的の差分はより明確です。

ただし、私は半導体関連ETFなども持っています。

552Aを追加すれば必ず分散になるわけではなく、既存の半導体・データセンター・電力関連へのエクスポージャーと重ならないかは別に確認する必要があります。

経費率は意外と差がある

現行の運用管理費用で100万円保有した場合の年間コストを単純計算すると、

100万円保有した場合の単純計算では、408Aが年約8,470円、552Aが年約5,225円、223Aが年約7,075円です。

408Aは現在の特例料率で、将来は0.990%程度へ上がる予定です。

ただし、実際の負担は運用報告書上の総経費率、売買コスト、ETFのスプレッドなどでも変わります。

今回の比較では「候補企業をどれだけ拾うか」を見るため、まず現行の公表管理費用でそろえました。

日本で買いやすいかも確認した

3本ともNISA成長投資枠の対象で、原則として為替ヘッジなしです。

売買単位は408Aが10口、552Aと223Aが1口です。

直近終値ベースの最低投資額は、408Aが約3,030円、552Aが約2,458円、223Aが約1,855円でした。

ただし流動性には差があります。

直近1日の出来高・売買代金のスナップショットでは、408Aが約104.8万口・約3.17億円、223Aが約1.27万口・約0.24億円、552Aが約3,300口・約0.08億円でした。

スプレッドは日中の板状況で変わるため、「何%なら常にこのETFが有利」とは言えません。実際に買うときは、成行ではなく板と気配値を確認して指値を使う方が無難です。

投資信託まで広げると候補はあるが、今回は主比較から外した

ETF以外も探すと、eMAXIS Neo AIテクノロジーのような投資信託も候補になります。

実際、2026年前半にはLumentum、CoreWeave、Nebiusが上位10銘柄に入っていました。

ただ、同ファンドは銘柄入れ替えが大きく、2026年8月末の上位10銘柄では顔ぶれがかなり変わっています。ETF3本のように同じ粒度で最新全構成を比較しづらいため、今回の「最新の逆引き表」からは外しました。

国内で買える方法はETFだけではありませんが、最新構成を横並びで確認できる透明性も、今回のような使い方では重要です。

結局、自分ならどうするか

今回の選択肢を、自分の条件に戻すとこうなります。

A. 408Aを追加する

主対象6社への一致度は最も高い。ただし、すでに保有しているので新しい分散にはならない。

B. 552Aを追加する

408AにないNebiusを拾え、AIインフラ・電力・データセンター側へ投資軸をずらせる。一方、既存の半導体・インフラ資産との重複確認が必要。

C. 223Aを追加する

AIテーマを広く持てる。ただし今回の6社では408Aにない新規候補を追加できず、Big Tech比率も高め。

D. 候補企業を少数だけ個別株で買う

狙った企業への比率は最も上げやすい。ただし、米国株の直接保有から撤退した理由と逆行し、管理の手間も戻る。

E. 何も増やさない

既存の408A、半導体関連ETF、SBGなどでAIへのエクスポージャーが十分なら、新しいETFを買わないのも合理的。

今回調べた結果、私はBの552Aを少額で買って様子を見る方針にしました。

408Aを持っている以上、223Aを「別のAI ETFだから」という理由だけで追加する意味は今回の目的では弱い。

552AならNebiusとAIインフラ側を追加できます。ただし、すでに半導体・AI関連資産も持っているため、最初から大きく買うのではなく、まず少額で保有して既存資産との重なりや値動きを見てみます。

調べたから買う、ETFを増やせば分散になる、という話ではありません。少額で試したうえで、追加する意味が薄ければ増やさない判断も残します。

結論|欲しい銘柄からETFを逆引きすると、商品の違いがよく見えた

NVIDIAの行動から調査対象を探し、その企業を日本ETFから逆引きしてみると、普通の「AI ETF比較」とは違う景色になりました。

主対象6社では、

  • 408A:4社、約9.0%
  • 552A:2社、約5.3%
  • 223A:2社、約2.1%

でした。

408Aはアクティブ運用で、NVIDIAから逆算して見つけた企業と運用者の企業選択がかなり重なりました。

552Aは企業数では少ないものの、CoreWeaveとNebiusを比較的厚く持ち、AIインフラという別の設計思想が明確です。

223AはAI・ビッグデータを広く取り、今回の「次候補」探しよりもAIテーマ全体へ分散する商品です。

そして、すでに408Aを持つ私の場合、408A+552Aなら主対象6社中5社まで届き、223Aを足しても今回の6社は増えませんでした。そこで552Aは少額から試してみます。

これは「552Aを買うべき」という一般的な結論ではありません。408Aをすでに持ち、米国個別株へ戻りたくないという私の条件での判断です。

今回分かったのは、ETFを商品名から選ぶより、自分が何を持ちたいのかを先に決めて「欲しい銘柄からETFを逆引きする」と、重複と不足が見えやすくなることです。

NVIDIAの投資・提携先も、ETFの構成銘柄も変わります。

だからこの方法は、最強ETFを決めるためではなく、「今の自分のポートフォリオに何が足りないか」を確認するために使うのが合っていると思います。

※本記事は公開情報を基にETF・企業の構成を比較したもので、特定の金融商品や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。構成銘柄・比率・費用・制度対象は変更される可能性があります。

FAQ

Q. CoreWeaveを日本で買えるETFはありますか?

A. 今回確認した3本では408A、552A、223Aのすべてに実質的な組入れが確認できました。ただし比率は大きく異なります。

Q. Nebiusを日本ETFで持てますか?

A. 今回の3本では552Aに組入れが確認できました。408Aと223Aでは今回の調査時点で確認できませんでした。

Q. 408Aと223Aは両方持つ意味がありますか?

A. 目的次第です。今回の主対象6社では223Aが408Aにない企業を追加しません。一方、AIテーマをより広く指数型で持ちたいなら223Aは別の役割を持ちます。

Q. 408Aと552Aを両方持つとどうなりますか?

A. 今回の主対象6社では合計5社を捕捉します。ただしETF全体では半導体やAIインフラ銘柄が重なるため、組み合わせれば自動的に分散になるわけではありません。

Q. Coherentを含む国内ETFはないのですか?

A. 今回主比較した408A、552A、223Aでは確認できませんでした。商品構成は入れ替わるため、購入前には最新の公式構成を再確認する必要があります。

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