※この記事は2026年9月11日時点の公開情報をもとにしています。639Aは2026年9月30日上場予定で、この記事を書いている時点ではまだ市場で売買されていません。市場価格・初値・実際の出来高・純資産総額・実績ベースの分配金など、上場後でなければ分からない数字は推測で埋めていません。
また気になる半導体ETFが出てきた
また気になるETFを見つけてしまった。
銘柄コード639A。
「NF・グローバルメモリETF」。
2026年9月30日に東証へ上場予定のETFで、正式名称は「NEXT FUNDS Solactive グローバル・メモリ指数連動型上場投信」。2026年8月28日に東証が新規上場を承認している。
僕はすでに200A、NF・日経半導体ETFを保有している。
さらに個別株でも半導体やメモリ株を売買してきた。
特にキオクシアでは、上がって喜び、下がって悩み、最終的には損切りまで付き合った。
もうメモリ株は十分では?
と思う。
ところが639Aの参考構成銘柄を見ると、Micron、SK hynix、Samsung Electronics、SanDisk、Western Digital、Seagate、キオクシア。
普段見ている会社がずらっと並んでいる。
そして最初に出てきた疑問がこれだった。
「200A持ってるのに、これ追加する意味ある?」
今回はそこを考えてみる。
639Aとは何か
まず商品そのものを整理する。以下は特記がない限り、2026年9月11日時点でNEXT FUNDS、JPXが公表している内容をベースにしている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | NEXT FUNDS Solactive グローバル・メモリ指数連動型上場投信 |
| 証券コード | 639A |
| 上場予定日 | 2026年9月30日 |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 対象指数 | Solactiveグローバル・メモリ指数(税引前配当込み) |
| 指数算出開始日 | 2026年6月19日 |
| 指数の基準日・基準値 | 2020年5月8日・1,000ポイント |
| 構成銘柄数 | 最大20銘柄 |
| 算出方法 | 浮動株調整後時価総額ウエート |
| 定期銘柄入替 | 年2回(5月・11月) |
| 1銘柄の組入上限 | 主に定期入替時25% |
| 信託報酬 | 年0.605%以内(税込) |
| 売買単位 | 10口 |
| 上場当初の最低投資金額 | 2,000円程度(10口)の想定 |
| NISA | 成長投資枠対象予定として案内 |
| 分配金支払い基準日 | 毎年9月10日(年1回) |
| 為替 | 外国株を含むため為替変動の影響あり |
上場当初の最低投資金額は、NEXT FUNDSが2026年9月30日の上場当初について「2,000円程度(10口)」と案内している。実際の市場価格はまだ存在しない。
指数は、韓国や台湾を含む先進国市場の企業から、メモリデバイスやストレージシステムなどメモリ関連事業へのエクスポージャーが大きい企業を選び、最大20銘柄で構成する。
ここで注意したいのが過去チャート。
指数の基準日は2020年5月8日だが、指数の算出開始日は2026年6月19日。
つまり2020年まで遡って表示される指数データには、算出開始前の過去計算が含まれる。639Aそのものの運用実績ではない。
NEXT FUNDSも対象指数の過去推移について「ファンドの運用実績ではありません」と明記している。
「メモリETF」というのが面白い
639Aを単なる「世界半導体ETF」と考えると、少し違う。
半導体と一言でいっても、中身はかなり広い。
- GPUやCPUなどのロジック半導体
- ファウンドリー
- 半導体製造装置
- 材料
- メモリ
639Aは、この中でもメモリとストレージへかなり強く寄せたETFである。
記事を読むうえで最低限押さえておきたいのはHBM、DRAM、NANDの3つ。
HBMはHigh Bandwidth Memoryの略で、AI向けGPUなどへ大量のデータを高速に供給するための高帯域メモリ。
DRAMは、CPUやGPUが処理しているデータを一時的に置いておくメモリ。
NANDフラッシュは、SSDなどでデータを長期間保存するために使われる。
要するに、
「AIだからNVIDIAを買う」
とは少し違う。
AIが大量の計算をするなら、その横で大量のデータを高速に読み書きし、さらに保存する必要がある。
639Aは、その「データを置く・渡す側」へかなり寄せた商品だ。
構成銘柄を見ると、かなり尖っている
2026年9月11日時点でNEXT FUNDSが掲載している最新の参考構成は、2026年6月末時点の指数上位10銘柄。
まだETF自体は上場前なので、これは639Aの実際の保有銘柄ではなく、連動対象指数の参考構成である。
| 順位 | 銘柄 | 国・地域 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | Micron Technology | 米国 | 28.8% |
| 2 | SK hynix | 韓国 | 21.4% |
| 3 | Samsung Electronics | 韓国 | 17.5% |
| 4 | SanDisk | 米国 | 6.9% |
| 5 | Marvell Technology | 米国 | 5.8% |
| 6 | Western Digital | 米国 | 4.8% |
| 7 | Seagate Technology Holdings | アイルランド | 4.7% |
| 8 | キオクシアホールディングス | 日本 | 3.6% |
| 9 | Astera Labs | 米国 | 1.4% |
| 10 | Credo Technology Group | ケイマン諸島 | 1.0% |
※構成比は2026年6月末時点。出所:Solactiveデータを基に野村アセットマネジメント作成の資料。
上位3社を足すと、2026年6月末時点で67.7%。
約7割である。
「最大20銘柄に分散」と聞くと、それなりに広く分散しているように見える。
中を見ると、だいぶ違う。
世界のメモリ御三家ETF感がかなりある。
Micron、SK hynix、Samsungの業績が良ければ強烈に効く。
逆に3社まとめてメモリ市況悪化を食らえば普通に痛い。
なお、2026年6月末時点でMicronが28.8%と25%を超えているが、NEXT FUNDSは「組入上限は主に定期銘柄入替時に適用され、その後の株価変動によって一時的に上限を上回る場合がある」と説明している。
上位10銘柄だけで95.9%。
この上位10銘柄から単純計算すると、2026年6月末時点では米国47.7%、韓国38.9%、アイルランド4.7%、日本3.6%、ケイマン諸島1.0%。
ただし、これは公式に公表された「全構成銘柄の国別比率」ではなく、上位10銘柄の公開値から僕が計算した参考値。
業種別の正確な構成比も、2026年9月11日時点の公式公開情報では確認できない。
キオクシアも入っている
個人的に気になったのは、やはりキオクシア。
2026年6月末時点の参考構成比は3.6%。
僕は2026年、キオクシア個別株でかなり大きな値動きを経験した。
だいたい5万円前後で買い、一時11万円台を見て、それでも持ち続け、最終的には3万9,000円前後で売った。
かなり綺麗に上から下まで付き合った。
この話は「投資歴17年。いまだに普通に爆死する。【爆死録#5】」に詳しく書いている。
この経験が639Aを見る目にはかなり影響している。
キオクシア1社を買う場合、キオクシアが勝つ必要がある。
639Aなら、キオクシアが多少出遅れてもMicronが伸びるかもしれない。SK hynixかもしれない。Samsungかもしれない。
「どのメモリメーカーが勝つか」まで一点当てしなくていい。
これは個別株を触ってきた身として、けっこう大きい。
一方で、メモリ業界そのものが崩れれば逃げ場は少ない。
企業固有リスクは薄められても、業界リスクはむしろ濃い。
AI時代にメモリを買う意味
2026年の足元では、AIとメモリの関係はかなり分かりやすい。
Micronは2026年6月24日に発表した2026年度第3四半期決算で過去最高業績を公表し、「AI時代におけるメモリの戦略的価値」に言及。HBM4の量産出荷も進めている。
SK hynixも2026年7月29日の2026年第2四半期決算で、HBM、AIサーバー向けDRAM、eSSDなど高付加価値製品が業績をけん引したと説明している。
Samsung Electronicsも2026年第2四半期決算で、AI需要を背景にメモリ事業が過去最高の四半期となり、サーバーDRAM、eSSD、HBM需要の拡大を見込んでいる。
つまり、
AIが伸びるなら、演算する半導体だけでなくメモリも大量に必要になる。
このストーリーには納得感がある。
ただし、ここから
「AI需要が伸びる=メモリ株はずっと上がる」
にはならない。
メモリ業界は昔から市況の波が大きい。
- 需要が強くなる
- メーカーが設備投資する
- 供給が増える
- 需給が緩む
- 価格が下がる
- 利益が大きく落ちる
- 設備投資が絞られる
このサイクルを何度も繰り返してきた。
AI需要という長期の成長テーマと、メモリ市況という激しいサイクルは両方存在する。
2026年の強さを、そのまま未来へ一直線に伸ばすのは怖い。
200Aを持っているのに639Aを追加する意味はある?
ここが今回いちばん考えたところ。
僕はすでに200Aを持っている。
639Aまで買うと、
「また半導体増やしてるやん」
となる。
実際、資産全体の分散という意味ではその通り。
ただ、中身を比べると役割はかなり違う。
| 比較 | 200A | 639A |
|---|---|---|
| 対象 | 日本の半導体関連企業 | 世界のメモリ・ストレージ関連企業 |
| 銘柄数 | 30銘柄 | 最大20銘柄 |
| テーマ | 日本の半導体産業全体 | メモリ・ストレージへ集中 |
| 1銘柄上限 | 定期見直し時15%、一部5% | 主に定期入替時25% |
| 信託報酬 | 年0.165%(税込) | 年0.605%以内(税込) |
| 外国株・為替の影響 | 直接の外国株組入れなし | あり |
| 特徴 | 装置なども含めて幅広い | メモリ市況の影響がかなり大きい |
※200Aの信託報酬等は2026年9月11日時点、639Aは2026年9月11日時点の公表情報。
200Aは東証上場の半導体関連30銘柄へ投資する、日本の半導体産業全体に近いETF。
639Aはその代わりではない。
200A=日本の半導体産業
639A=世界のメモリ・ストレージ産業
という違いがある。
僕が200Aを選んだ理由については、以前「なぜ私は2644をやめて、日経半導体ETF(200A)を選んだのか」で書いた。
今回639Aを追加するとすれば、200Aを入れ替えるのではなく、世界のメモリへさらに寄せるサテライト枠という位置づけになる。
そして、それは「分散」ではない。
むしろ自分の半導体比率をさらに濃くする行為である。
ここは間違えないようにしたい。
Micronやキオクシアを直接買うのとは何が違う?
個別株には個別株の面白さがある。
Micronを選んで大きく上がれば、639Aより強く恩恵を受けられる可能性がある。
キオクシアが世界のNAND市場で一気に伸びると考えるなら、キオクシアだけ買った方が効率はいい。
当たれば。
問題は、その「当たれば」である。
僕は個別メモリ株を実際に触って、企業を見るだけでは足りないことを何度も感じている。
その会社の決算。
メモリ価格。
設備投資。
競合の生産計画。
AI需要。
スマホやPC需要。
為替。
需給。
全部絡む。
639Aなら、「MicronとSK hynix、どちらが次の勝者か」を完璧に当てる必要は薄くなる。
その代わり、勝ち組1社だけが爆発的に上がっても、その上昇を100%享受できるわけではない。
個別企業を当てにいくか。
メモリ業界全体を持つか。
639Aの価値は後者にあると思っている。
信託報酬は安くない
気になるのがコスト。
639Aの信託報酬は2026年9月11日時点で年0.605%以内(税込)。
200Aは2026年9月11日時点で年0.165%(税込)。
単純比較すると639Aは約3.7倍。
「インデックスETFだから安い」という商品ではない。
長く持てば、この差は確実に効いてくる。
一方で、Micron、SK hynix、Samsung、SanDisk、キオクシアなどを、日本の証券口座から東証ETF1本でまとめて持てる。
そこへの利便性に年0.605%以内を払う、と考えることもできる。
高い。
でも、まったく意味の分からない高さでもない。
そんな位置。
一括ではなく少額積立を考えている
2026年9月11日時点では、僕は639Aをまだ持っていない。
上場すらしていない。
ただ、今のところ興味はかなりある。
買うとしても、上場日に大きく一括ではなく、少額を積立的に買っていく方が自分には合いそうだと思っている。
理由はシンプル。
- 上場前なので実際の出来高やスプレッドが分からない
- メモリ株は値動きが大きい
- 2026年6月末時点で上位3社が67.7%を占めるほど集中している
- 僕はすでに200Aなど半導体へのエクスポージャーを持っている
- それでもAI時代のメモリ需要という長期テーマには乗っておきたい
これらを合わせると、
「上場初日に全力」
にはならない。
でも、
「完全に見送る」
もちょっと惜しい。
だったら、小さく持ちながら見る。
今はそのくらいがちょうどいい。
積立額も購入ルールも、2026年9月11日時点ではまだ決めていない。
上場後の実際の取引状況を見てから考える。
個別株で祈るところまでポジションを持った経験があるので、今回は最初から祈らなくて済むサイズにしたい。
進歩である。
たぶん。
上場後に確認したいこと
2026年9月30日に上場したら、この記事は追記する予定。
- 初値
- 終値
- 出来高・売買代金
- 板の厚さ
- 実測スプレッド
- 基準価額・iNAVとの乖離
- 純資産総額
- 実際の組入銘柄と比率
- 僕が実際に買ったか、見送ったか
ETFそのものの運用実績、トラッキング差、実際の分配金なども、上場後に時間が経たないと評価できない。
2020年以降の指数グラフがどれだけ良く見えても、それは639Aの実績ではない。
ここは上場後も混ぜないようにしたい。
639Aは万人向けではなさそう。でも気になる
639Aは、半導体全体へ広く投資したい人向けの商品ではなさそうだ。
Micron、SK hynix、Samsungを中心に、SanDisk、Western Digital、Seagate、キオクシアなどへまとめて投資する。
かなりメモリ寄り。
かなり景気循環寄り。
かなり尖っている。
僕の場合は、
「半導体をもう1本増やす」
というより、
「AI時代のメモリ・ストレージ需要へ、小さく追加投資する」
という位置づけならありだと思っている。
200Aを持っているので、無理に639Aまで持つ必要はない。
信託報酬も高め。
値動きも大きくなる可能性がある。
それでも、世界のメモリ大手を東証ETF1本で持てる商品は面白い。
上場日にいきなり大きく買う気はない。
でも完全に無視するのも惜しい。
だから今のところは、
少額で少しずつ買う候補。
9月30日に板を見ながら、
「また半導体増やしてるやん」
と自分にツッコんでいる可能性は高い。
主な一次情報(2026年9月11日確認)
- NEXT FUNDS 639A 商品ページ
- NEXT FUNDS グローバル・メモリETF特集ページ
- JPX:639A 新規上場の承認
- Micron Technology:2026年度四半期決算
- SK hynix:2026年第2四半期決算
- Samsung Electronics:2026年第2四半期決算
※本記事は筆者個人の投資検討過程を記録したもので、特定の金融商品や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は各自でお願いします。

