※この記事は2026年9月30日の上場後情報へ更新しています。商品仕様はNEXT FUNDS・野村アセットマネジメント・Solactive・東京証券取引所の公開情報を確認し、市場データは2026年10月2日時点を基準にしています。
639A(NF・グローバルメモリETF)は、世界の半導体企業へ広く投資するETFではありません。Micron、SK hynix、Samsung Electronics、キオクシアなど、メモリ・ストレージ関連企業へかなり強く寄せたETFです。
検索で「639Aの中身を知りたい」という人向けに先にまとめると、ポイントは次の通りです。
世界のメモリ・ストレージ関連企業が主な投資対象。連動指数は最大20銘柄で、浮動株調整後時価総額ウエート。定期見直し時の個別銘柄上限は25%です。2026年10月2日時点でSolactiveが公表している指数構成は20銘柄。2026年6月末の公式参考構成ではMicron、SK hynix、Samsung Electronicsの上位3社で67.7%を占めていました。ただし、この67.7%は現在のETF保有比率ではありません。
つまり639Aは「20銘柄に広く分散する半導体ETF」というより、世界のメモリ産業へ集中して投資するテーマETFと考えた方が分かりやすいです。
また気になる半導体ETFが、実際に上場した
以前この記事を書いた時点では、639Aはまだ上場前でした。2026年9月30日、予定どおり東京証券取引所へ上場しています。
正式名称は「NEXT FUNDS Solactive グローバル・メモリ指数連動型上場投信」。愛称は「NF・グローバルメモリETF」です。
僕が最初に気になったのは、200Aのような半導体ETFをすでに調べてきた中で、「さらに639Aまで見る意味があるのか」ということでした。
上場後に改めて中身を確認しても、その答えは変わりません。639Aは200Aの代わりというより、半導体の中でもメモリ・ストレージという特定レイヤーへさらに寄せるETFです。
639Aとは?上場後に基本情報を確認
正式名称:NEXT FUNDS Solactive グローバル・メモリ指数連動型上場投信
証券コード:639A
上場日:2026年9月30日
運用会社:野村アセットマネジメント
対象指数:Solactiveグローバル・メモリ指数(税引前配当込み)
構成銘柄数:最大20銘柄
算出方法:浮動株調整後時価総額ウエート
定期銘柄入替:年2回(5月・11月)
1銘柄の組入上限:定期見直し時に最大25%
信託報酬:年0.605%(税込)
売買単位:10口
NISA:成長投資枠の対象
分配金支払い基準日:毎年9月10日(年1回)
指数は、韓国や台湾を含む先進国市場の企業から、メモリデバイスやストレージシステムなどメモリ関連事業へのエクスポージャーが大きい企業を選び、最大20銘柄で構成します。
指数の基準日は2020年5月8日ですが、算出開始日は2026年6月19日です。2020年まで遡る指数データには算出開始前のバックテストが含まれ、639Aそのものの運用実績ではありません。ここは上場後も混同しない方がよい点です。
639Aの構成銘柄は?連動指数の現在の20銘柄
上場前の記事では、2026年6月末時点の「指数上位10銘柄」までしか確認できませんでした。上場後は、Solactiveの指数ページで2026年10月2日時点の構成20銘柄を確認できます。
Solactiveが公表している連動指数の構成銘柄は次の20社です。これはETFの最新保有比率ではなく、連動指数の構成銘柄一覧です。
- Astera Labs
- Credo Technology Group Holding
- Everpure
- FormFactor
- Kioxia Holdings
- Lite-On Technology
- Macronix International
- Marvell Technology
- Micron Technology
- Nanya Technology
- NetApp
- ON Semiconductor
- Phison Electronics
- Rambus
- Samsung Electronics
- SanDisk
- Seagate Technology Holdings
- SK hynix
- Western Digital
- Winbond Electronics
現在確認できるもの:連動指数の構成20銘柄
現在確認できないもの:639Aの最新ETF保有比率
参考として使うもの:2026年6月末時点の指数上位10銘柄と、その時点の構成比率
この3つは分けて見ます。古い構成比率を現在値のようには扱いません。
2026年6月末時点の指数参考構成
上場前に野村アセットマネジメントが示していた2026年6月末時点の指数上位10銘柄は次の通りです。これは現在のETF保有比率ではなく、あくまで当時の指数参考構成です。
1位 Micron Technology:28.8%
2位 SK hynix:21.4%
3位 Samsung Electronics:17.5%
4位 SanDisk:6.9%
5位 Marvell Technology:5.8%
6位 Western Digital:4.8%
7位 Seagate Technology Holdings:4.7%
8位 キオクシアホールディングス:3.6%
9位 Astera Labs:1.4%
10位 Credo Technology Group:1.0%
上位3社を足すと67.7%、上位10銘柄で95.9%でした。
上位3社への集中度は高い。ただし67.7%は現在値ではない
「最大20銘柄に分散」と聞くと、それなりに広く分散しているように見えます。ところが2026年6月末の参考構成では、Micron、SK hynix、Samsung Electronicsの3社だけで67.7%でした。
639Aの指数は均等加重ではなく、浮動株調整後時価総額ウエートです。個別銘柄の上限は定期見直し時に25%ですが、その後の株価変動で25%を超えることはあります。
つまり、20銘柄に分かれているから「広く分散されたETF」とは言い切れません。大手メモリメーカー数社の値動きがかなり効きやすい構造です。
一方で、現在も上位3社が67.7%なのかは確認できていません。検索から来た人に一番誤解してほしくないので、ここは「2026年6月末時点」と明記して残します。
「メモリETF」というのが面白い
639Aを単なる「世界半導体ETF」と考えると、少し違います。
半導体と一言でいっても、GPUやCPUなどのロジック半導体、ファウンドリー、半導体製造装置、材料、メモリなど中身はかなり広いです。
639Aは、この中でもメモリとストレージへかなり強く寄せたETFです。
記事を読むうえで最低限押さえておきたいのはHBM、DRAM、NANDの3つ。HBMはAI向けGPUなどへ大量のデータを高速に供給するための高帯域メモリ、DRAMは処理中のデータを一時的に置くメモリ、NANDフラッシュはSSDなどでデータを長期間保存するために使われます。
要するに、「AIだからNVIDIAを買う」とは少し違います。AIが大量の計算をするなら、その横で大量のデータを高速に読み書きし、保存する必要がある。639Aは、その「データを置く・渡す側」へかなり寄せた商品です。
キオクシアも入っている。個別株との違いは大きい
個人的に気になるのは、やはりキオクシアです。2026年6月末の参考構成では3.6%でしたし、2026年10月2日時点の指数構成にもKioxia Holdingsは残っています。
僕は2026年、キオクシア個別株でかなり大きな値動きを経験しました。上がって喜び、下がって悩み、最終的には損切りまで付き合った銘柄です。
この売買の経緯は「投資歴17年。いまだに普通に爆死する。【爆死録#5】」にまとめています。
この経験が639Aを見る目にはかなり影響しています。キオクシア1社を買う場合、当然ですがキオクシア固有の業績や需給の影響を強く受けます。
639Aなら、キオクシアだけではなくMicron、SK hynix、Samsung Electronicsなどもまとめて持てます。「どのメモリメーカーが勝つか」を一点で当てる必要は薄くなる。
最近AI投資を整理している中でも、キオクシア個別株だけを持つより、639Aでメモリテーマ全体を持つ選択肢が出てきたことは大きいと感じています。
ただし、企業固有リスクを薄められても、メモリ業界そのものが崩れれば逃げ場は少ない。企業分散と業界分散は別です。
AI時代にメモリを買う意味と、メモリ市況の怖さ
AIが伸びるほど、演算する半導体だけでなくメモリも必要になります。HBM、AIサーバー向けDRAM、eSSD、NANDなどへの需要が増えるという長期ストーリーには納得感があります。
ただし、ここから「AI需要が伸びる=メモリ株はずっと上がる」にはなりません。
メモリ業界は昔から市況の波が大きいです。需要が強くなる、メーカーが設備投資する、供給が増える、需給が緩む、価格が下がる、利益が落ちる、設備投資が絞られる、というサイクルを何度も繰り返してきました。
AI需要という長期の成長テーマと、メモリ市況という激しいサイクルは両方存在します。2026年の強さを、そのまま未来へ一直線に伸ばして考えない方がよいテーマです。
200Aとの違いは「どのレイヤーへ投資するか」
ここは元記事でも重要だったので残します。200Aと639Aはどちらも半導体関連ですが、役割はかなり違います。
200A(NF・日経半導体ETF)は、東京証券取引所に上場する日本の半導体関連大手30社へ投資するETFです。製造装置、素材、デバイスなど日本の半導体産業全体に近い値動きを取りにいきます。信託報酬は年0.165%(税込)です。
639Aは、韓国や台湾を含む先進国市場のメモリ・ストレージ関連企業へ集中します。最大20銘柄で、信託報酬は年0.605%(税込)です。
僕の整理では、200A=日本の半導体産業、639A=世界のメモリ・ストレージ産業。
200Aを選んだ経緯は「なぜ私は2644をやめて、日経半導体ETF(200A)を選んだのか」にまとめています。
639Aは200Aの完全な代替ではありません。半導体全体を取りたいのか、メモリへ寄せたいのか。そこを先に決めた方が分かりやすいです。
Micronやキオクシアを直接買うのとは何が違う?
個別株には個別株の面白さがあります。Micronを選んで大きく上がれば、639Aより強く恩恵を受けられる可能性があります。キオクシアが世界のNAND市場で一気に伸びると考えるなら、キオクシアだけを持つ方が値動きへの影響は大きくなります。
問題は、その会社を当て続ける必要があることです。個別メモリ株は、その会社の決算だけでなく、メモリ価格、設備投資、競合の生産計画、AI需要、スマホやPC需要、為替、需給まで絡みます。
639Aなら「MicronとSK hynix、どちらが次の勝者か」を完璧に当てる必要は薄くなります。その代わり、勝ち組1社が爆発的に上がっても、その上昇を100%享受できるわけではありません。
個別企業を当てにいくか、メモリ業界全体を持つか。639Aの価値は後者にあります。
信託報酬は安くない
639Aの信託報酬は年0.605%(税込)。200Aの年0.165%(税込)と比べると明確に高いです。
「インデックスETFだから安い」という商品ではありません。長く持てば、この差は効いてきます。
一方で、Micron、SK hynix、Samsung Electronics、SanDisk、キオクシアなどを、東証上場ETF1本でまとめて持てる利便性があります。テーマの狭さと利便性に0.605%を払う価値があるかは、自分の投資目的と照らして考える必要があります。
上場後に確認できた価格・純資産・出来高
上場前の記事では「上場後に確認したい」としていた数字も、一部は実際に確認できるようになりました。
2026年10月2日の終値は209.4円。売買単位は10口なので、最低投資金額は約2,094円です。NEXT FUNDSの最新表示では純資産総額は8.2億円でした。
同日の出来高は1,022,670口、売買代金は約2.16億円です。
ただし、まだ上場から数営業日しか経っていません。この数日だけを見て「流動性は十分」「人気ETFになった」と判断するのは早いです。今後は純資産の積み上がり、出来高の継続性、売買スプレッド、基準価額との乖離を見ていく必要があります。
639Aが向いていそうな考え方・注意したい考え方
向いている可能性があるのは、AI需要の中でもHBM・DRAM・NANDなどメモリ側の成長を取りたい人、Micron・SK hynix・キオクシアなどの個別株を1社ずつ選ぶよりテーマ全体を持ちたい人、日本株だけでなく海外のメモリ関連企業もまとめて持ちたい人です。
一方で、半導体産業全体へ広く分散したい人、NVIDIAやTSMCを主に持ちたい人、上位銘柄への集中を避けたい人、信託報酬を低く抑えたい人には、639Aは必ずしも合いません。
「AI関連だから買う」のではなく、「AI需要の中でもメモリへどこまで寄せたいか」を決めてから使うETFだと思います。
まとめ|上場前の紹介記事から、実際の中身を確認する記事へ
639Aは2026年9月30日に上場し、上場前には分からなかった価格・純資産・出来高が見えるようになりました。さらにSolactiveでは2026年10月2日時点の指数構成20銘柄も確認できます。
一方、最新のETF保有比率は現時点で十分確認できないため、旧記事で使っていた28.8%、21.4%、17.5%といった数字は「2026年6月末時点の指数参考構成」として残しました。現在の保有比率のようには扱いません。
639Aの特徴は、世界の半導体企業へ広く投資することではなく、メモリ・ストレージ関連企業へ集中することです。200Aのような半導体ETFとは投資対象のレイヤーが違います。
僕自身、キオクシア個別株を経験してきたからこそ、639Aの登場で「1社を選ぶ」以外の選択肢ができた点は大きいと感じています。ただし、銘柄集中、メモリ市況の波、0.605%の信託報酬は明確な注意点です。
最終的には、半導体全体を取りたいのか、メモリという特定テーマへ寄せたいのか。その違いを理解したうえで使うETFです。
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主な一次情報
NEXT FUNDS「NEXT FUNDS Solactive グローバル・メモリ指数連動型上場投信(639A)」
NEXT FUNDS「AI時代のデータ需要を支える、グローバル・メモリ関連株に投資」
Solactive「Solactive Global Memory Index TR」
※本記事は筆者個人の投資検討過程を記録したもので、特定の金融商品や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は各自でお願いします。


