先日、初めてのテント泊に挑戦し、紅葉の涸沢(標高2300m)へ2泊3日の登山に行ってきました。しかし、そのテント泊では、生まれて初めて命の危険を感じるほどのトラブルに見舞われてしまったのです。
この記事では、私が初めてのテント泊で何を失敗したのかを振り返り、これからテント泊に挑戦する初心者の方々への教訓としてまとめました。
1.一度もテントの設営を練習せず、ぶっつけ本番
テント泊を決めたものの、ギリギリまでどのテントにするか迷っていた私は、結局、テント泊の前日にテントが自宅に届くという状況でした。そのため、事前にテントを設営する練習ができず、当日の設営に非常に時間がかかってしまったのです。
慣れない手つきでテントを立てるのに四苦八苦し、設営だけで体力を消耗してしまいました。当然、撤収にも時間がかかり、予定していた下山時間を大幅にオーバーしてしまうという失態。
対策: テントは、必ず事前に設営・撤収の練習をしておきましょう。自宅の庭や公園などで一度練習しておくだけで、当日の作業がスムーズに進み、体力も時間も大幅に節約できます。
2.荷物の重さと体調管理の甘さ
これまでの登山では、グレゴリーのズールー35というザックで、その中に収まる程度の荷物量でした。しかし、今回はそれに加えて、テントや寝袋などのテント泊装備が約5kgも追加されたのです。
さらに、前回の登山で膝を痛めていたのですが、そのまま放置していたことも、今回のテント泊に大きく影響しました。ストックを持っていなかったことも、失敗だったと痛感しています。
対策:
- パッキングのコツ、軽量化の工夫: テント泊装備は、軽量化されているものを選び、パッキングにも工夫が必要です。不要なものは思い切って削ぎ落とし、重心を高く保つようにパッキングしましょう。
- 自身の体調を考慮した無理のない計画: 過去に怪我をしたことがある場合は、特に注意が必要です。無理のない行程を計画し、体調に不安がある場合は、思い切って中止する判断も重要です。
- ストックなど補助具の活用: ストックは、膝への負担を軽減し、歩行をサポートしてくれます。特に、重い荷物を背負うテント泊では、積極的に活用しましょう。
3.自然環境への認識不足
テント泊は、ホテルや旅館に泊まるのとは全く違います。当たり前ですが、夜は寒いし、真っ暗です。
特に、今回テント泊をした涸沢のテント場は、足場が非常に悪い岩場でした。そのため、夜中にトイレに行きたくなっても、暗くて足場の悪い中、結構遠くまで移動しなければなりません。
しかも、テントは風を防ぐためにロープで固定する必要があるのですが、このロープに何度も引っかかってしまいました。自分の怪我はもちろんですが、周りの人に迷惑をかけないように、夜間の行動には十分な注意が必要です。
対策:
- 防寒対策の徹底: 昼間は暖かくても、夜は急に冷え込むことがあります。フリースやダウンジャケット、厚手の靴下など、十分な防寒対策を準備しましょう。
- ヘッドライトや懐中電灯の準備: 夜間の行動には、ヘッドライトや懐中電灯が必須です。予備の電池も忘れずに。
- テント場の状況を事前に確認: テント場のWebサイトや地図などで、足場の状況やトイレの場所などを事前に確認しておきましょう。
- 夜間の行動に十分注意する: 夜間のテント場は、暗くて危険がいっぱいです。ロープやペグに引っかからないように、周囲に注意を払い、慎重に行動しましょう。
4.番外編:山ごはん計画の失敗
テント泊の醍醐味の一つに、山ごはんがあると思います。せっかく、外でご飯をゆっくり作って楽しむことができる環境だったのに、私が食べたのは、コンビニのおにぎりとカップ麺という、なんとも残念なものでした。
事前にしっかりと計画を立てて、美味しい山ごはんを堪能すればよかったと後悔しています。
対策:
- 事前にしっかりと計画を立てる: どんな料理を作るか、必要な食材や調理器具は何か、事前にリストアップしておきましょう。
- 手軽に作れるレシピを準備する: 山では、限られたスペースと道具で調理する必要があります。手軽に作れるレシピをいくつか準備しておくと安心です。
- 現地の食材を活用する: 現地の食材を使うと、より一層美味しく、思い出に残る山ごはんになります。
5.最大の危機:台風の影響
そして、何といっても、今回のテント泊で一番甘く見ていたのが、台風の影響です。
この時、2018年の台風25号が日本海を通過する予報でした。直撃しないコースだったので大丈夫だろうと思っていたのですが…。
夜になると、風がどんどん強くなり、ついにはテントのポールが折れるという大惨事が発生。周りでも、一人用テントの人が避難していたり、テントを畳んで山小屋に避難している人もいて、かなり危険な状況でした。
夜中にロープの張り直しやペグの増設をしている人も多く、私も強風にあおられるテントの中で、恐怖の一夜を過ごしました。
ちなみに、涸沢だけでなく、手前の横尾も風がひどかったそうです。
教訓: 遠くても台風が通過する日のテント泊は避けるのが無難です。天候が悪化する可能性がある場合は、無理せず予定を変更しましょう。
6.テント泊装備紹介
最後に、今回私がテント泊で使用した装備を紹介します。
- テント: アライテント エアライズ
- グランドシート: アライテント エアライズ用アンダーシート
- シュラフ: モンベル ダウンハガー800 #1
- ザック: グレゴリー バルトロ65
インナーマットは買ったつもりだったのですが、買い忘れていました。実際にテント泊をしてみると、地面が岩場だったので、インナーマットは絶対に必要だと感じました。特に涸沢のような場所では、地面をしっかり整地しないと、快適に眠ることができません。
シュラフカバーは、今回はなくても大丈夫でしたが、あった方がより快適に過ごせると思います。
今回の経験を踏まえて、初心者の方におすすめの装備や、装備選びのポイントを紹介します。
- テント: 初心者の方は、設営が簡単で、ある程度の広さがあるテントがおすすめです。
- ザック: テント泊装備を収納できる、容量が大きく、背負いやすいザックを選びましょう。
- シュラフ: 標高や季節に合わせて、適切な保温性を持つシュラフを選びましょう。
- インナーマット: 地面の凹凸や冷えを遮断し、快適な睡眠をサポートしてくれます。必ず準備しましょう。
- その他: ヘッドライト、防寒着、雨具、救急セットなども忘れずに。
7.まとめ
今回の初めてのテント泊は、本当に忘れられない経験となりました。テント泊は楽しいアクティビティですが、しっかりとした準備と、自然に対する謙虚な気持ちを持つことが大切だと痛感しました。
特に、私のような初心者は、安全管理に十分注意する必要があります。今回の失敗を教訓に、しっかりと準備をして、またいつかテント泊に挑戦したいと思います。
この記事が、これからテント泊に挑戦する方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※この記事は、2018年に公開された記事をリライトしたものです。
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