PR

ジェイド株、あの日の決算が僕の希望を二度殺した。【爆死録#3】

株価暴落をイメージした折れたロケットと「爆死録#3」のタイトル入り画像 お金と投資
ジェイドグループ株で二度夢を見た投資家の“春の爆死”

2024年の春、僕はまた“あの銘柄”に手を出してしまった。ロコンド、改め、ジェイドグループ。かつてデヴィ夫人のCMで話題となった、あの企業だ。

一度は大きく負けたはずなのに、なぜか再び手が伸びる。それはきっと「今回は違うかもしれない」という、投資家あるあるな幻想のせいだ。

マガシーク買収。このニュースを見た瞬間、「来たかも」と思ってしまった。


あの銘柄が再び動いた——マガシーク買収の衝撃

3月のある日、マガシーク買収の報道を目にした。

「ジェイドグループが本気を出すなら今かもしれない」

SNSでも盛り上がり始めていた。「第二のGUになれるポテンシャルあるよね?」「BtoC再強化か?」など、ポジティブな言葉が飛び交っていた。

僕も、遅ればせながら2,500円近辺でIN。最初は現物で様子見していたが、出来高も良好で板も軽く、気づけば信用枠で玉を追加していた。2000株。かなり重いポジションだった。


なぜまたこの銘柄に夢を見たのか

正直、自分でもよくわからなかった。ロコンド時代に煮え湯を飲まされた記憶はある。デヴィ夫人のCMで騒がれて、高値で掴んで、損切りしたことも。

でも、それでもまた戻ってしまった。理由は、「材料がある」「チャートが上向いている」「市場全体も悪くない」……言い訳ならいくらでも並べられる。

今思えば、すべては“夢を見た”からだと思う。上がる銘柄に乗って、爆益を得る自分の姿を。


4月15日——“良決算”なのに、株価は奈落へ

決算前、SNSでは強気の声が多かった。

だが、株価はその期待とは裏腹に、4月に入ってから緩やかな下り坂を描いていた。盛り上がっているのは言葉だけで、実際の値動きは微妙だった。「買い増しはこのタイミングか?」と思いながらも、違和感を抱えていたのは事実だ。

「買収効果は来期からでも、期待値はある」「サプライズ上方あるかも?」

僕もそのひとりだった。含み益はあったが、利確せずホールド。4月15日、運命の本決算発表。

数字だけ見れば、営業利益は前年比+70%。一見すると“好調決算”だった。

だが、来期の業績見通しがあまりにも弱すぎた。営業利益率0.9%。成長どころか、維持すら危うく見えた。

市場が見ていたのは“実績”ではなく、“未来”。そしてその未来が、想像よりずっと暗かった。


翌日の地獄と、静かな撤退

翌朝の寄りは当然ギャップダウン。気配はどんどん下へ。売り板が厚く、買いは薄い。

16日には、会社側が“自己株式取得”というテコ入れ策を発表。しかし、時すでに遅し。買いは入らず、株価はじわじわとさらに崩れていった。

2,500円で買った2000株。気づけば1250円台まで落ちていた。

反発に見えたタイミングで、ようやく完全離脱。約200万円の損失だった。信用買いでレバレッジをかけた分、余計に堪えた。

画面を見て何も感じないふりをしていたが、心の中は空っぽだった。


なぜ人は、二度も同じ銘柄でやられるのか

これは企業のせいではない。明らかに、自分の“期待”が先走った結果だ。

「昔より良くなってるかもしれない」 「今回の材料は本物かもしれない」 「ここで買わなきゃ機会損失かもしれない」

すべて、“かもしれない”で出来た夢だった。


そして、教訓だけが残った——過去とどう向き合うか

株式投資において、“記憶に残る銘柄”は強い。

だからこそ、良くも悪くも「思い入れ」が生まれてしまう。そして思い入れは、判断を鈍らせる。

僕は二度、ジェイドグループに夢を見た。そして、二度とも現実に打ちのめされた。

——ジェイドグループで二度死ぬ。だった

株式投資とは、数字を読むゲームじゃない。“空気”を読むゲームだ。そう痛感した春だった。

ジェイドグループで、僕は二度死んだ。
……三度目がないことを、ただ願う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました