子どもができて、住む場所を変えた。
以前は都心寄りの1DKに住んでいた。
駅近で、通勤は片道15分ほど。夫婦2人で暮らすだけなら、かなり便利だったと思う。
ただ、子どもが生まれるとなると話が変わった。
一番大きかったのは、単純に「広さが必要になった」ことだった。
そこで住まいを探し始めたのだが、条件を一つずつ残していくと、選べる場所は思った以上に少なかった。
広さは欲しい。
東京都内には残りたい。
車は持たない。
駅近がいい。
結果として、都心への近さを諦め、郊外の駅近を選ぶことになった。
以前と今を比べると、かなり変わった
ざっくり比較すると、こんな感じだ。
| 項目 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| エリア | 都心寄り | 都内郊外 |
| 間取り | 1DK | 3LDK |
| 広さ | 30㎡台 | 70㎡前後 |
| 駅からの距離 | 駅近 | 徒歩1分 |
| 通勤時間 | 約15分 | 約1時間10分 |
| 車 | なし | なし |
| 子どもの空間 | ほぼなし | 子ども部屋あり |
| 周辺利便性 | 高い | まだ発展途中 |
| 住宅費 | 低め | 大幅増 |
さらに、以前は会社の住宅手当もあった。
今はそれがなくなり、住居そのものの負担増も含めると、実質では月15万円前後増えている感覚がある。
こうして並べると、かなり大きな住み替えだったと思う。
子どもができて、1DKの限界が見えた
以前の1DKは、感覚としては少し広めの1Rに近かった。
寝る。食べる。くつろぐ。
ほぼ同じ空間で完結していた。
夫婦2人なら、それでも困らなかった。
でも子どもができると、必要なものが一気に増える。
おむつ、服、おもちゃ、ベビーカー、寝具。
それだけではない。
子どもを寝かせる場所と、大人が生活する場所も分けたくなる。
今は子ども部屋に、おもちゃやおむつ、服などをまとめて置ける。玄関にはベビーカーを置ける。子どもを寝かせたあとも、大人は別の空間で過ごせる。
この「生活を分けられる」というのが、思っていた以上に大きかった。
子どもがズリハイするようになってからは、広さの価値をさらに実感するようになった。動き回れる場所があるだけで、本人も楽しそうに見える。
今になって思うと、夫婦だけなら都心の狭い部屋でも十分だった。
でも、子どもがいる生活では広さの優先順位が一気に上がった。
ただし、都内には残したかった
広さだけを求めるなら、もっと遠くまで行けば選択肢は増える。
それでも、東京都内には残したかった。
理由の一つは、子育て支援や行政サービスだった。
子どもが生まれてからは、住む場所を考えるときに、単純な家賃や広さだけではなく、自治体の制度も気になるようになった。
だから、「広い家が欲しいから、とにかく東京を出る」という選択にはならなかった。
一方で、都心寄りで今と同じくらいの広さを確保しようとすると、住居費はさらに上がる。
もっと収入が高ければ、もう少し都心に近い場所を選んでいた可能性はある。
ただ、広さ、駅近、都内、通勤時間まで全部取ろうとすると、住宅に使えるお金をかなり増やす必要がある。
わが家では、そこまで住居費に寄せるよりも、子育て中の生活全体に余裕を残す方を選んだ。
車を持たないなら、駅近は外せなかった
郊外に行くと、次に問題になるのが移動だ。
うちは車を持っていない。
車は便利だと思う。
ただ、購入費だけでなく、駐車場代、保険、税金、車検、ガソリン代と維持費がかかる。
さらに、妻は運転免許を持っていない。
もし車前提の場所に住むと、家族の移動が私に依存しやすくなる。
そのため、郊外でも駅近は外したくなかった。
結果として、
広さは欲しい。
都内には残りたい。
車は持たない。
駅近がいい。
この条件を重ねると、候補はかなり絞られた。
そして最終的に、郊外の駅近を選んだ。
得たのは広さ。失ったのは通勤時間
住んでみて一番良かったのは、やはり広さだった。
逆に、一番つらくなったのは通勤だ。
以前は片道15分ほど。
今は約1時間10分かかる。
これはかなり違う。
駅までは徒歩1分なので、そこは非常に楽だ。雨の日も移動しやすいし、子どもを連れて電車に乗るときも助かる。
でも、駅が近くても電車に乗っている時間は短くならない。
郊外の駅近を選ぶというのは、「駅まで遠い生活」は避けられても、「都心まで遠い生活」までは避けられない。
これは実際に通勤し始めて、かなり強く実感した。
今は通勤経路やオフピークまで含めて、どうすれば少しでも負担を減らせるか考えている。
住む場所を変えたことで、今後転職するなら通勤時間も重要な条件にしたいと思うようになった。
家を変えたら、仕事選びの基準まで変わった。
駅近でも、周辺が便利とは限らない
もう一つ、住んでみて分かったことがある。
駅近だからといって、生活全体が便利とは限らない。
今のエリアは、まだ周辺環境が整っている途中だ。
今後、生活に必要な施設が増えていく予定ではあるが、現時点では用事によっては、もう少し栄えている駅まで移動する必要がある。
つまり、「駅近」と「街が便利」は別の話だった。
電車にはすぐ乗れる。でも、その駅だけで生活が完結するとは限らない。
実際に住んでみると、車があれば便利だろうなと思うこともある。
今のところ車なしでも生活はできているので、選択そのものを後悔しているわけではない。
ただ、郊外で暮らすと車が便利と言われる理由は、以前よりよく分かるようになった。
子どもがいると、広さの価値はかなり大きい
一方で、広さについては今のところかなり満足している。
子どもの泣き声や生活音も、以前ほど気にならなくなった。
子ども部屋に荷物をまとめられる。ベビーカーを玄関に置ける。子どもが寝たあとも、別の空間で過ごせる。
家の中に余白があるだけで、育児中のストレスはかなり違う。
以前の1DKが悪かったわけではない。夫婦2人の生活には、むしろ便利だった。
でも、家族構成が変わると、同じ家でも評価が変わる。
今はそれを実感している。
もちろん、広くなればコストも増える
広い家は快適だが、良いことだけではない。
まず掃除が大変になった。以前は掃除する面積そのものが少なかった。今は単純に掃除する場所が増えた。
住居費もかなり増えた。さらに住宅手当もなくなったため、実質負担は以前と比べてかなり重い。
「広い方がいい」というのは簡単だが、その広さには当然コストがついてくる。
今の広さは、夫婦と子ども1人ならちょうどいいと思っている。
ただ、もし今後子どもが増えたらどうなるかは分からない。家族構成によって、必要な広さはまた変わると思う。
わが家が残したもの、諦めたもの
振り返ると、今回の住み替えは「全部を取れない中で、何を残すか」を決める作業だった。
残したもの
- 子育てできる広さ
- 東京都内
- 駅近
- 車なしでも生活できること
諦めたもの
- 都心への近さ
- 短い通勤時間
- 以前の安い住居費
- 完成された周辺利便性
もっと収入が高ければ、もう少し都心寄りを選んだかもしれない。
逆に、車を前提にするなら、もっと駅から遠くても広い場所を選べたかもしれない。
でも、今のわが家の条件では、そのどちらも選ばなかった。
今もう一度選ぶなら
実際に住んでみて、不満がないわけではない。
通勤は大変だ。周辺の便利さも、まだこれからという部分がある。住宅費も大きく増えた。
それでも、今もう一度選ぶとしても、大きな条件は変えないと思う。
子どもがいる今は、都心の便利さ以上に、家の中に余裕があることの価値が大きい。
でも、車前提の生活にはしたくない。
だから、「郊外でも駅近」という方向は、今でもわが家には合っていると思う。
家探しでは、理想の条件を全部取れるとは限らない。
大事なのは、「何が欲しいか」だけではなく、「何なら諦められるか」を決めることなのだと思う。
うちの場合は、
広さは欲しい。
都内がいい。
車は持たない。
駅近がいい。
その代わり、通勤時間と住居費は受け入れる。
そうやって条件を削っていった先に、今の暮らしがあった。
今のところ、その選択は悪くなかったと思っている。


