✅ はじめに:よくある“夫婦のモヤモヤ”から
「やろうと思ってたのに、なんで責められるの?」
「ちゃんと話したのに、聞いてなかったって何?」
「また私ばっかり家事してる…」
そんな“ちょっとした不満”が、なぜこんなに大きなケンカになるのか。
今回はアドラー心理学という考え方をもとに、夫婦喧嘩の正体と、もっと前向きな関係をつくるヒントを一緒に見ていきましょう。
✅ アドラー心理学ってなに?
『嫌われる勇気』でも話題になったアドラー心理学。
今回は『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』(岩井俊憲・著)を参考にしながら、夫婦関係に役立つ3つの考え方を簡単にご紹介します。
※難しい話はなし。あくまで「ケンカが減るかも?」という日常目線でご覧ください。
✅ アドラー心理学の3つの考え方
①「なんで怒ってしまうの?」▶ 感情には“目的”がある(目的論)
怒りやイライラは、「思わず湧いた」ものではなく、何かを伝えたいから出てくる感情なんです。
たとえば:
「なんでまだやってないの!?」=「ちゃんと私の気持ちに気づいてほしい」
🔹感情の整理ポイント:「怒り」は“二次感情”かも
- 一次感情: 不安、寂しさ、悲しみ、焦りなどの“素直な気持ち”
- 二次感情: それを隠したり守ったりするために出てくる“怒り”や“イライラ”
怒る前に「本当はどんな気持ちだった?」と一瞬立ち止まる。それだけでケンカは激減します。
②「相手を変えたい!」▶ 課題の分離と“自分の選び方”(自己決定性)
夫が家事をしない、妻が話を聞いてくれない…。
つい「どうして動いてくれないの?」と思ってしまいますよね。
でもアドラーは言います:
「その人がどうするかは、その人の課題」
相手の行動は変えられません。自分が“どう関わるか”を選ぶしかないんです。
🔹自分の自由=相手の自由も認めること
これは自己決定性といって、
「人は他人のせいではなく、自分で意味づけして行動を選んでいる」という考え方です。
③「仲直りのきっかけが見つからない…」▶ 夫婦は“仲間”という視点(共同体感覚)
夫婦は、味方同士のはず。
でも、つい正しさを競って「敵モード」になってしまうこと、ありますよね。
アドラー心理学のゴールは、「お互いを尊重しながら一緒に歩んでいける関係」=共同体感覚。
🔹そしてカギは「勇気づけ」
「ありがとう」「信じてるよ」「助かった」
こうした言葉は、相手に「自分にも価値がある」と感じさせる勇気づけになります。
✅ よくある夫婦のすれ違い5選(夫側視点)
ケース | ありがちなセリフ | アドラー的な見直し |
---|---|---|
LINE未読問題 | 「なんで既読スルー!?」 | →「見てくれてたら嬉しいな」 |
準備ギリギリ問題 | 「なんでもっと早くやらないの?」 | →「今度から一緒にスケジュール確認しようか」 |
家事偏り問題 | 「俺ばっかりやってない?」 | →「分担、ちょっと見直したいんだけどどう?」 |
子育て方針のズレ | 「甘やかしすぎじゃない?」 | →「どんなルールを一緒に作れそうかな?」 |
会話の記憶違い | 「言ったってば!」 | →「これ、メモしとこうか?」 |
✅ 判断基準は「建設的かどうか」で考える
言い負かすのではなく、関係が前に進むかどうか?を基準に考えると、選ぶ言葉も行動も変わります。
- 自分にとって建設的?
- 相手にとって勇気づけになる?
- この言い方は、信頼を育てるだろうか?
✅ 最後に:ケンカは悪いことじゃない。ただし…
夫婦喧嘩は、「関係を見直すチャンス」でもあります。
アドラー心理学を知っていれば、「正しさ」や「コントロール」から離れ、もっとあたたかく、対等で、前向きな関係が育てられるかもしれません。
📚参考文献:
『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』(岩井俊憲・著/日本能率協会マネジメントセンター)
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