時は2024年12月——。
年末特有の
「この中にNISA枠埋めてないやつ、いねーよな?」ムード”がSNSを席巻していた。
「年始一括投資で非課税枠をフル活用するのが正義」
「特定口座よりNISA優先で埋めるのが常識だよね?」
そんな言葉がX(旧Twitter)を飛び交っていた。
そのムードが頂点に達する年始を待たず、僕は2024年末NISAの残り枠をフライングで突撃。 GXUSTOP20(銘柄コード:2244)に一括100万円ドカン。
ETFランキングで年初来パフォーマンスNo.1だったのが決め手だった。レバナスに近い値動き。夢がある。
実はこれまでもこのETFでは儲けていたし、パフォーマンスにも満足していた。
「レバナスはさすがに怖いけど、こいつならいける」——そんな都合の良い理由を添えて。
「これで将来の子育て資金も準備OK!」
と、ノリでつぶやいたその瞬間から、フラグは立っていたのかもしれない。
第1章:NISA枠、きれいに使い切って爆死する
買ったのは、GXUSTOP20。ナスダック上位のハイテク株にレバをかけた夢のETF。
購入価格は2580円。 100万円分一括投資した。
「年始から米国株は上昇基調」 「トランプ再選も織り込み済みだろう」
そんな甘い予想を胸に、ポチッと約定ボタンを押した。
最初のうちは含み損益がちょこちょこ動くだけだったが、 2025年1月の終わりごろから、嫌な兆候が見え始める。
ジリ……ジリジリと、下がる。
第2章:年明け早々、火の車…いや地獄への入口
年明け、2025年1月。 相場は「徐々に冷え込んでいた」。
1〜3月は、なんとなく体感できる“緩やかな下り坂”。 明確な暴落ではないが、期待が削られていくような相場。
そして3月末時点で、GXUSTOP20は2000〜2200円台をうろうろ。
「これ以上は下がらないだろう」「ここが底かも」 そんな期待を抱いていた自分がいた。
しかし、NISA一括民が少しずつ「売りました…」とSNSで報告を始めたのもこのころ。
暴落の足音はまだ聞こえなかったが、空気は徐々に冷えていた。
そして、春にはその話題ごと、SNSから消えた。
僕はまだ戻ると信じていた。実際、その下げ局面でIFナス100ダブル(2869)を仕込み、 短期リバで少し取り返していた。損失を全部はカバーできなかったが、努力はしていた。
第3章:4月の悲劇、そして現実(リアル)
そして、2025年4月2日。
トランプ大統領が“Liberation Day”を宣言。
「中国、欧州、その他の不公平な貿易相手国に対して、即時かつ大規模な関税を課す」
市場は一瞬で凍りついた。 S&P500は4月2日だけで–4.6%。その週で–11%を記録。
ハイテク株中心のGXUSTOP20は1715円まで急落。
画面を見ても、売りボタンを押せなかった。いや、押したくなかった。
だって、NISAだよ!?
第4章:結婚式、金がいる
そんなタイミングで、まさかの現実が僕に牙を剥く。
「あれ? 結婚式の最終支払い、これ手持ちじゃ足りなくね?」
信用取引のポジションも膨らんでいた。 サンリオ、Yutori、メタプラネット、テラドローンで合計900万くらいのロット。
元本を減らすわけにはいかなかった。 でも、現金は必要だった。
僕は泣く泣く、NISA口座から半分、2200円で売却。
これがどれだけ愚かなことかは分かっていた。
でも、愛する妻と大切な一日を迎えるために、 僕は税制優遇と引き換えに、大損を現実化させた。
このとき、損したことは伝えたけれど、具体的な金額は言えなかった。 忙しい結婚式準備のさなか、そんな空気でもなかった。
第5章:ようやくプラ転、でも心はまだ赤字
その後も相場は乱高下しながらも、夏にかけてやや持ち直した。
そして2025年7月——
ようやくGXUSTOP20が買値に戻り、含み益が1万円を超えた。
が、半分はすでに2200円で売っている。
トータルでは、まだ赤字。
これが、僕の2025年前半のNISAの結末だ。
最終章:NISAとは何か、投資とは何か
「NISAは非課税だから絶対損しない」 「下がっても放っておけば戻る」 「未来への投資だよ」
……それ、現金が必要ない人の話ね。
人生には「売らなきゃいけないタイミング」がある。 そしてそのとき、損してても売るしかない瞬間がある。
結論:サンリオありがとう(この話はまた別の機会に)
ちなみに結婚式代、サンリオ株で回収しました。 2月からサンリオを取引していて、 低価格売出の反動や海外人気の波に乗って上昇し、ありがたい回収枠になった。
次回予告:「結婚式代はキティちゃんが払ってくれた」
乞うご期待。
※本記事は実体験を元にしたエンタメ記事です。投資は自己責任でどうぞ。
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