AWS Certified Solutions Architect – Associate、いわゆるSAAに合格した。
点数は741点。
合格ラインは720点なので、無事合格である。
ただし、かなり余裕を持って受かったかというと、そうでもない。
741点。21点差。
AWSは仕事でも使っている。
Lambda、S3、DynamoDB、CloudWatch、IoT Coreあたりは実際のシステムで触ってきた。完全なAWS初心者ではない。
だから勉強を始める前は、心のどこかで思っていた。
「実務で使ってるし、SAAならある程度いけるんじゃないか」
結果。
約2か月、Ping-tをひたすら回して741点。
思ったより全然余裕ではなかった。
でも逆に言えば、AWSを仕事で使っている40代の僕が、ほぼ隙間時間だけ、教材は実質Ping-t一本で合格できた。
今回はその過程を、実際の学習履歴を見ながら振り返ってみる。
そもそも、なぜ40代になってAWS資格を取ろうと思ったのか
僕はIT業界で長く仕事をしてきた。
最近はIoT関連の新規事業に関わり、AWSを使ったクラウドシステムも扱っている。
AWS IoT Core、Lambda、S3、DynamoDB、CloudWatch。
認証やAPI周辺も含めて、必要に応じてAWSのサービスを組み合わせてきた。
実際、効率家ラボでもRaspberry Pi × AWS IoTでネット速度を自動監視した構成や、GmailとGoogleカレンダーの処理をAWSへ移行した記録を書いている。
そういう意味では「AWSを触ったことがありません」という状態ではない。
ではなぜ、今さら資格なのか。
理由の一つは転職だった。
40代になり、今後のキャリアを改めて考えるようになった。
AWSやクラウド関連の仕事も候補になる。
そこで一つ気になった。
「AWSを使った実務経験があります」だけでは、社外からレベルが分かりにくい。
Lambdaをちょっと触っただけなのか。設計までやったのか。AWS全体の基本的な知識があるのか。
職務経歴書にサービス名を並べるだけでは、その辺が伝わりにくい。
だったら、一度資格として形にしておこうと思った。
資格を取っただけで市場価値が爆上がりする、とは思っていない。
でも、これまでやってきた実務経験を、他社にも伝わる形に変換する意味はある。
そんな感じでSAAの勉強を始めた。
勉強開始は3月5日。最初は無料だった
使った教材はPing-t。
ほぼこれだけ。
最初から有料プランに入ったわけではない。
まず無料で始めた。
学習履歴を見ると、3月5日の最初の方は本当に何も進んでいない。
ヒット8。ミス2。
ほぼスタート地点である。
そこから、毎日の隙間時間で問題を解いていった。
まとまった勉強時間を何時間も確保した、という感じではない。
通勤中。休憩時間。ちょっとした待ち時間。夜に時間が取れたとき。
そんな感じで、とにかく少しずつ進める。
僕の場合、机に座って「今日はAWSを3時間勉強するぞ」と気合を入れるより、スマホで問題を進められる方が続きやすかった。
これは40代の会社員にとって結構重要だと思う。
仕事がある。家庭もある。資格のためだけに毎日まとまった2時間、3時間を確保するのは現実的ではない。
だったら5分でも10分でも進める。
その積み重ねにした。
3月23日に課金。それでも、まだ全然終わっていない
最初の2週間ほどは無料で進めた。
そして3月23日、Ping-tに課金した。
無料で触ってみて、「これなら続けられそう」と思ったからだ。
教材を選ぶとき、最初からあれもこれも買う方法もある。
参考書。動画教材。模試。問題集。
でも僕は、とりあえずPing-t一本で進めることにした。
理由は単純で、問題を解く形式が自分には合っていたから。
分からなければ解説を読む。また解く。間違える。もう一度やる。
非常に地味である。
ただ、地味な方法は強い。
学習履歴を見ると、3月23日時点ではヒット100前後。未出題もまだ600問以上残っていた。
つまり課金した時点でも、「あとちょっとで完成」どころではない。
まだ入口だった。
レベルが上がるにつれて、実務経験だけでは通用しなくなった
Ping-tを進めていくと、レベルが少しずつ上がっていった。
レベル0、1、2。3月末には2〜3。4月に入って4、5、6。4月後半には7。そして5月には8、9まで来た。
数字だけ見ると順調である。
でも体感としては、途中からかなり厳しかった。
最初の方は、「これは知っている」というサービスも多い。
Lambda。S3。IAM。CloudWatch。
仕事で使っているものは、問題文を読んでも状況がイメージしやすい。
例えばLambdaなら、「イベントで処理が動く」という知識だけではなく、「実際こういうときに使う」という感覚がある。
DynamoDBも同じ。S3も同じ。
ここは実務経験が明確に効いた。
ところが、問題範囲が広がってくると話が変わる。
普段仕事ではあまり触らないサービスが大量に出てくる。
ネットワーク、データベース、ストレージ、負荷分散、高可用性、災害対策、オンプレミスとの接続、大規模なAWS環境の構成。
「名前は知っている」と、「問題を見て最適な構成を選べる」の間には、かなり大きな差があった。
そこで気づいた。
僕はAWSを使っている。でも、AWS全体を知っているわけではない。
当たり前なのだが、資格勉強を始めるまであまり意識していなかった。
SAAはAWSサービス名の暗記試験ではなかった
SAAを勉強していて、一番印象に残ったのはこれだった。
単純な暗記問題だけではない。
「このサービスは何をするものですか?」なら、まだ覚えればいい。
でも実際は、あるシステムをAWSへ移行したい。高可用性が必要。運用負荷はできるだけ減らしたい。コストも抑えたい。既存環境はこうなっている。
さて、何を選ぶ?
という問題が多い。
選択肢を見ると、全部それっぽい。
できなくはない。
でも、「AWSとして一番素直なのはどれか」を選ばないといけない。
ここが難しかった。
例えば同じデータ保存でも、S3なのか、EBSなのか、EFSなのか、FSxなのか。
同じデータベースでも、RDSなのか、Auroraなのか、DynamoDBなのか。
同じ通信でも、インターネット経由なのか、VPNなのか、Direct Connectなのか。
要件によって答えが変わる。
つまりSAAは、AWSサービスの名前当てクイズではなく、要件から構成を選ぶ試験だった。
これは実務にもかなり近いと思う。
仕事でも、「この技術が使える」というだけでは足りない。
コスト、運用、可用性、セキュリティ、今後の拡張。
そこまで考えて選択する。
資格勉強だから実務とは別物、と思っていたけれど、この部分は意外と勉強になった。
4月20日にも継続。気づけば1か月半以上やっていた
3月23日に有料で始め、その後も学習を継続した。
4月20日にも課金を継続。
この頃になると、かなりの問題数を消化している。
4月20日夜の履歴では、ヒット532。まだミス141。未出題153。
だいぶ進んだ。
でも完成ではない。
翌週にはヒット600台。5月に入ると700台。
見た目としては、ようやくゴールが見えてきた。
ここからは新しい問題を解くというより、「間違えたところをどう減らすか」の比重が増えた。
一度正解したから理解した、とは限らない。
消去法で当たった。たまたま覚えていた。選択肢の文章に見覚えがあった。
そういう問題もある。
だからミスを潰す。また間違える。もう一回読む。
正直、この辺はかなりしんどかった。
資格勉強には、途中で一度、「これ、いつ終わるんや」という時期が来る。
僕の場合はたぶん4月後半だった。
それでも毎日ちょっとずつ続けた。
5月10日。ついに未出題0になった
そして5月10日。
Ping-tの画面が、
- 未出題 0
- ミス 37
- ヒット 796
- コンボ 39
になった。
開始から約2か月。
ようやく一通り全部触った。
最初は未出題が800近くあった。
3月5日はヒット8。
それが5月10日にはヒット796。
こうして履歴を並べてみると、かなり分かりやすい。
一気に伸びた日があるわけではない。
毎日少しずつ増えている。
僕の場合、資格勉強はこの形が合っているのだと思う。
勉強時間を大量投入して短期決戦するより、毎日少しずつやる。やめない。気づいたら終わっている。
効率がいいのかは分からない。
でも続く。続く方法は強い。
Ping-tを全部やった。それでも741点だった
ここで重要なのは、「全問やったから余裕で合格した」という話ではない。
結果は741点だった。
合格ライン720点。21点差。
全然圧勝ではない。
もちろん点数だけでは、あと何問間違えたら落ちていたのか単純には分からない。
それでも、「かなり余裕だった」とは言えない結果だと思う。
むしろ僕としては、Ping-tをほぼ一通りやって、実務経験もあって、それでも741点というのが一番リアルなデータだった。
これから受ける人に、「Ping-tだけで余裕ですよ」とは言えない。
僕は受かった。
でもかなり勉強した。
そしてギリギリ寄りだった。
この3つはセットで伝えたい。
Ping-tだけでSAAは受かるのか
僕の場合は受かった。
だから、「Ping-tだけでは絶対無理」ということはない。
ただし条件はあると思う。
僕にはAWSの実務経験があった。
クラウド自体が初めてではない。
ネットワークやシステムの基礎知識も、仕事を通して持っている。
だからPing-tの解説を読めば、「なるほど、そういうことか」と理解できる部分が多かった。
もしIT自体がほぼ未経験、AWSも触ったことがない、ネットワークも分からない、という状態なら、同じやり方が最適とは思わない。
その場合は、参考書や動画でAWS全体像を先に理解してから問題演習に入った方がいいかもしれない。
逆に、仕事でAWSを部分的に使っている。AWS全体を体系的に勉強したことはない。
という人なら、僕とかなり近い。
そういう人にはPing-t中心の勉強は相性がいいと思う。
特にスマホで隙間時間にできるのは大きかった。
実務経験は役に立った。でも、過信すると危ない
SAAを取って一番分かったのはこれだった。
実務経験は間違いなく有利。
実際に使ったサービスは理解が速い。
問題文を読んだとき、「ああ、こういう構成ね」とイメージできる。
これは強い。
でも実務経験には偏りがある。
僕ならIoTやサーバーレス周辺は比較的分かる。
一方で、会社のシステムで使っていなければ、触る機会がないAWSサービスも多い。
仕事というのは、AWSの資格試験のために全サービスを満遍なく使わせてくれるわけではない。
当然である。
だから、「AWSを仕事で使っています」と「AWSを広く理解しています」は同じではなかった。
SAAの勉強は、その穴をかなり見せてくれた。
資格を取って自信がついた、というより、「知らんもの、まだめっちゃあるな」という感覚の方が強かったかもしれない。
その後、ビジネスマネジャー検定も受けた
SAAに合格したあと、次に受けたのはAWS資格ではなかった。
ビジネスマネジャー検定。
こちらも合格した。
さらにマネジメント検定も考えていたが、受験時期を逃したので来年候補になっている。
今考えているのはPMP。
それから英語。
Duolingoは今も続けている。
ただ、正直なところ、英語力が劇的に上がった実感はまだない。
TOEICもまず600点を目標に受けてみたいと思っている。
昔なら、「資格は取れるだけ取った方がいい」と思っていたかもしれない。
でも40代になった今は、少し考え方が違う。
時間は有限だ。
資格を一つ増やすために100時間使うなら、その100時間で何を伸ばすのが一番いいのかを考えたい。
AWS、マネジメント、プロジェクト管理、英語。
全部足りないところはある。
だから順番を考える。
資格コレクションというより、自分の弱い部分を一つずつ埋めていく作業に近い。
40代で学び直した結果については、通信制大学を卒業した40代のその後でも振り返っている。
SAAを取って分かったのは、「AWSを知っている」ではなく「どこを知らないか」だった
SAAに合格した。
AWSを仕事でも使っている。
資格も取った。
ではこれでAWSに詳しくなったと言えるのか。
たぶん、まだまだだと思う。
むしろSAAを勉強したことで、「自分はAWSのここは知っている。でもここは弱い」という境界線が前よりよく見えるようになった。
これは資格を取った一番大きな収穫だったかもしれない。
勉強開始は3月5日。
最初はPing-tの無料問題から。
3月23日に課金。
毎日の隙間時間で問題を解く。
4月にも継続。
5月10日には未出題0。
そして本番。
741点で合格。
AWS実務経験あり。Ping-tほぼ一本。約2か月。
余裕だったかと言われると、全然そんなことはなかった。
でも受かった。
資格試験なので、まずそれでいい。
SAAを取ればAWSについて全部分かるようになるわけではない。
僕の場合はむしろ逆だった。
AWSを仕事で使っているから、そこそこ知っているつもりだった。
741点。
知らないことは、まだ普通に多かった。
それが分かっただけでも、受けた意味はあったと思う。

