あなたの職場でも、こんなことはありませんか?
SlackやTeamsなどの共有チャンネルに、こんなメッセージが投稿されました。
「最近、こういうミスがあったので、みなさんも気をつけてくださいね」
名前は出ていないけれど、「これ、自分のことだ」と気づいてしまう。
そして、心が重くなり、その日一日、集中できなかった――。
これは、私自身も経験したことのある出来事です。あの時の胸のざわつきは、今も忘れられません。
だから私は、この体験を言葉にすることにしました。
あの時感じた戸惑いや痛みを、誰かが一人で抱え込まなくてすむように。
上司の意図は「全体の学びのため」だった
上司に悪気はなかったはずです。
個人を責めるのではなく、同じことを繰り返さないために、みんなに共有しておこう。
そんな善意や配慮が働いていた可能性は十分にあります。
「特定の誰かに言うより、全体で気をつけようとする方がフェア」
そう考える人もいるかもしれません。
このような行動は、ある意味では心理的安全性を意識したものとも言えます。
でも、あなたにとっては“晒し”に感じたかもしれない
たとえ名前が出ていなくても、タイミングや内容から自分だと分かると、それは「間接的な非難」に感じられることがあります。
これは心理学的に「indirect blame(間接的非難)」と呼ばれ、明確な叱責よりも傷が深くなることもあるのです。
特にチャット文化では、言葉の裏にあるトーンや意図が読み取りにくいため、誤解が生まれやすくなります。
傷ついたあなたへ ― それは「弱さ」ではありません
「こんなことで気にする自分がダメなのかな…」と思わないでください。
あなたが傷ついたのは、仕事に真剣に向き合っていたから。
そしてそれは、あなたの感受性が豊かである証でもあります。
感情はコントロールできなくても、伝え方は選べます。
上司にどう伝えればいい?それが難しいときは…
もし勇気があれば、上司にこう伝えてみるのも一つの方法です。
「皆に向けた注意だとは分かっていましたが、自分のことだと分かって少し辛かったです」
「今後、こういった内容は事前に一言もらえると、気持ちが違うと思いました」
直接言いにくい場合は、信頼できる同僚や人事に相談するのも選択肢です。
大事なのは「ひとりで抱え込まないこと」です。
上司の立場にいるあなたへ ― 意図はよくても影響を見てみよう
もしあなたがマネジメント側なら、
「配慮のつもりだった」その行動が、思わぬ負担になっていた可能性を考えてみてください。
部下は、“あなたの意図”ではなく、“受け取り方”であなたを見ています。
- 内容の共有前に本人に確認する
- 伝えるトーンや文面を丁寧に選ぶ
- 共感をにじませる一言を添える
このような行動は、職場にとっての“安心”の土台になります。
その一言が、安心を生むかもしれない
心理的安全性のある職場は、間違いや違和感を口に出せる環境から生まれます。
そしてそれは、誰かが「ちょっと言いにくいこと」を勇気を出して伝えた瞬間に、少しずつ育っていくのです。
「気にしすぎかな?」と思う気持ちとともに、一言添えてみる。
それを最初に伝える人が、次の安心をつくることもあります。
あなたが感じたその違和感は、決して間違っていません。
この記事が、少しでも誰かの安心につながればと願っています。
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