─ 「対岸の戦争は買い」に飲まれて堅実沈没 ─
勝ち逃げ成功!2022年3月、日本郵船で+200万円の利確
2022年の年初。オミクロン株で世の中がバタつく中、「ここはディフェンシブ+高配当銘柄だ」と判断して、日本郵船にフルベットした俺。
信用じゃない。現物。しかも長期目線。

1月に仕込んで、2月の決算通過、そして3月の配当権利確定日を経て――3月末に200万円プラスで利確。
「俺、堅実じゃん」
「こういうのが“市場で生きる”ってことだよな」
勝ち逃げモードの俺は、春の風に吹かれていた。
だが、対岸で戦争が始まった
2022年2月24日。ロシアによるウクライナ侵攻。
ニュースのヘッドラインはこうだった。
「対岸の戦争は買い」
「有事の株高?それとも地政学リスク?」
俺の中では、「長期で見れば安定して回復する」という自信があった。
だから、リスクはあっても“あえて買う”という判断をした。
俺の頭の中にあったのはこういうイメージだ。
- 郵船で利益出た → 税金対策に損を出してもOK
- ディフェンシブなら大丈夫
- 大型株なら暴落耐性ある
- 伊藤忠?SBI? リクルート? 日本郵政? 全部固いっしょ!
当時のメモにはこう書いてある。
「不安定な時こそ、財務・配当・事業が安定したところへ資金が流れる(俺調べ)」
5月、崩壊の始まり
FOMCの利上げ。アメリカの金利急上昇。
日本株も巻き添え。岸田政権も評価されず。世界中が不安モードへ。
チャートはジリジリ下がり、ある日突然ズドン。
伊藤忠、SBIHD、リクルート、日本郵政――
俺の“鉄壁ディフェンシブ軍団”が、ひとつ、またひとつ、沈んでいった。
「なぜ…なぜ俺のポートフォリオだけ…」
「郵船は売るべきじゃなかったのか…」
「いやでも、あの利確は正しかったはず…」

トータル評価損益:−270万円(6月時点)
年初の勝ち分は完全に消え、余剰資金も溶け、心も折れた。
“俺の勘違いTOP3”
1位:「高配当なら下がらない」
→ 逆に配当落ちで資金が抜けるターン
2位:「戦争は対岸の話」
→ 株価は地球規模で連動する
3位:「大企業は安心」
→ 安心とは“安心したい願望”だった
ウクライナ侵攻と彼女の言葉
当時、今の妻とは交際中。
俺:株ヤバいわ…戦争ってすごいな
彼女:だいじょうぶ?
俺:郵船売った後に伊藤忠で沈んだ(涙)
彼女:それって、株ってやつ?←優しい
そのときの沈黙は、今も忘れられない。
心理バイアスに溺れた俺
今振り返れば、完全にプロスペクト理論の奴隷だった。
- 損失を認めたくなくてナンピン
- 含み益を早く確定してしまいたくて郵船を売り
- 「これ以上下がるわけない」と思い込み続けた
人は損を2倍強く感じる生き物。
その本能に、俺は逆らえなかった。
まとめ:勝ち逃げは幻想、安定志向も罠
2022年の俺に言いたい。
「勝ち逃げは幻想だ」
「安定志向は、みんなが信じた瞬間に崩壊する」
「“対岸の戦争は買い”は、対岸の誰かが逃げるための言葉だ」
情報の波に飲まれ、自分の頭で判断しなかった俺が、一番の戦犯だった
次回予告:
「夢に終わったACCESS。俺はあの時、なぜあのボロ株に全力したのか?」
→ 【爆死録#3】でお会いしましょう
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