妊娠中に夫が風邪をひいたら?初回陰性からコロナ陽性になったわが家の対応

妊娠中の妻とマスクをした夫。初回陰性から後日コロナ陽性になった経験を伝えるイラスト

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妻の妊娠中、私が初めてコロナにかかりました。すぐに病院へ行ったものの、最初の検査は陰性。その後、再び受診すると陽性でした。

自分は比較的元気でも、妻やお腹の赤ちゃんに影響がないかは別の話です。家も狭く、「別室で過ごせばいい」と言われても、簡単には割り切れない状況でした。

同じように夫に風邪症状が出たときは、検査結果だけで安心せず、家での接触を減らす工夫をし、妻に症状がある場合や健診が近い場合は、かかりつけへ電話で相談することから始めたいと思います。

この記事では、わが家で起きたことと、その後に調べた検査・家庭内対策・妊婦や赤ちゃんへの影響をまとめます。医療情報は2026年10月に確認した資料に基づきます。

妻の妊娠中に、夫の私がコロナになった

当時、会社でコロナが流行していました。そこでうつったのかなと思っていますが、感染源が分かったわけではありません。

体調に変化があって病院へ行くと、最初は陰性でした。ところが、しばらくして再受診すると陽性。初めてのコロナが、よりによって妻の妊娠中でした。

マスクは着けました。自分自身は比較的元気でしたが、家の中には妊娠中の妻がいる。自分の体調だけ見て「これくらいなら大丈夫」とは思えませんでした。

その後、妻も体調を崩しました。妻はコロナではなく風邪だったという経過ですが、当時は「おい、マジか」と焦りました。私からうつったかどうかまで分かったわけではありません。

初回の陰性で話が終わらなかったことと、狭い家で一緒に暮らしていたこと。この二つが、今回の体験を振り返るうえで外せないところです。

最初の検査が陰性でも、症状がある間は気を付けたい

私の場合は、最初の検査で陰性、その後の受診で陽性でした。なぜ最初に陰性だったのかは分かりません。ただ、後から調べると、症状が出たタイミングと検査で捉えやすくなるタイミングが、いつも一致するわけではないことが分かりました。

症状が出た後にウイルス量が増える例もある

米国で2022〜2023年に調べた研究では、症状があり、新たにPCR陽性と診断された348人を分析しています。多くの人に接種歴や既感染歴があり、症状が出た後に鼻の検体中のウイルス量が増える傾向が示されました。[1]

この研究だけで私の陰性の理由を説明できるわけではありません。それでも、「症状があるのに陰性」という状況は、それだけで感染を否定できるものではないと理解する材料になります。

また、CDCの2024年の研究でも、抗原検査ではPCRで確認された感染を捉えきれない例が報告されています。[2] 検査の種類や受ける時期、検体の状態などによって結果の解釈は変わります。

だからといって、検査が陽性になりやすそうな日まで受診を待つ、という話ではありません。陰性でも症状が続く・悪化するときは医療機関へ相談し、再検査が必要かも含めて確認する。今なら、最初の結果だけで対策を終えないようにします。

狭い家では、できる対策を具体的に決める

わが家は家が狭かったので、別室で完全に生活を分けることを前提にした説明は、そのままでは使いにくいと感じます。ここからは、当時の実行記録ではなく、公式情報を踏まえて今なら先に整理することです。

一緒に過ごす時間を減らし、換気とマスクを組み合わせる

厚生労働省は、同居家族がコロナにかかった場合、可能であれば部屋を分け、世話をする人をできるだけ限るよう案内しています。手指衛生・換気・不織布マスクも対策として挙げています。[3]

部屋を分けられるなら、その方法を考える。難しい場合は、同じ場所で長時間過ごす機会や、マスクを外して一緒に食事する機会を減らせないかを考えたいところです。自治体の案内にも、食事時間をずらす方法が示されています。[4]

食事や寝る場所をどうするかに加え、換気扇や窓を使えるかも確認する。仕切りを置くだけで十分と考えず、換気と組み合わせることを意識します。

食器や洗濯物は「共有しない」と「分けて洗う」を分ける

調べて意外だったのは、感染者が使った食器や衣類を、必ずしも分けて洗う必要まではないことです。公式案内では、通常の洗濯・洗浄でよいとされています。一方、洗う前の食器や使用中のタオルは共有しないよう注意が必要です。[4]

食器を別々に洗い、衣類も毎回別洗いとなると、家事が増えます。妊娠中の妻にその作業を全部お願いする形では、負担も大きくなってしまいます。

食事はどう用意するか、洗い物や洗濯をどう回すか。今なら、感染対策と一緒に、妻が夫の看病や家事を抱え込まない段取りも考えます。

気づく前に接触していても、そこからできることをする

厚労省の案内では、新型コロナは発症前から感染性のあるウイルスを排出することがあるとされています。[3] 症状が出て気づいた時点では、すでに同じ部屋で過ごしていた、ということもあります。

それなら仕方ないと対策をやめるのではなく、気づいてから接触を減らす。逆に、その後に家族が体調を崩しても、いつ、どこで感染したかは分からないので、一つの行動だけを原因と決めつけないようにしたいです。

実家やホテルへ移る方法を考える場合も、費用だけでなく、移動先に誰がいるか、接触する相手が増えないかを含めて検討する必要があります。

妻にも症状が出たら?受診・健診・薬のこと

夫に風邪症状があると、妻のちょっとした体調の変化も気になります。わが家でも妻が体調を崩したときは焦りました。

妻に発熱や咳などの症状が出た場合は、妊娠中であること、同居家族の症状や検査結果を伝え、かかりつけへ電話で相談します。夫が感染した状態で妊婦健診の日が近い場合も、普段どおり出向く前に受診先へ確認しておきたいところです。[5]

相談の際は、症状が始まった時期、熱や呼吸の様子、水分が取れているか、妊娠週数、服用中の薬を手元にまとめておくと伝えやすくなります。強い息苦しさなど急な悪化がある場合は、通常の予約や次の健診を待たず、緊急の受診・相談を優先してください。

妊娠中だから、薬は全部だめというわけではない

国立成育医療研究センターは、アセトアミノフェンを妊娠中の痛みや発熱に対する第一選択として説明しています。ただし、実際の使用は症状や妊娠の時期、ほかの薬などを踏まえて医師・薬剤師に確認する必要があります。[6]

同じ解熱鎮痛薬でも扱いは同じではありません。家にある夫の薬や市販の総合感冒薬を、そのまま妻にも使えると考えないようにしたいです。

インフルエンザにも妊娠中に使用が検討される治療薬があります。[6] 厚労省の2026年度の案内でも、抗インフルエンザ薬は使い始める時期によって効果が異なるとされています。[7] 「妊婦だから薬は使えない」と自己判断で我慢を続けるより、早めに相談する意味があります。

妻やお腹の赤ちゃんへの影響は、どう考えればよい?

私が気になったのも、結局はここでした。ただ、「夫が感染した」「妻が感染した」「胎児に感染した」「生まれた後の発達に影響した」は、それぞれ別の話です。

この記事の私の体験は、夫がコロナになったケースです。妻が妊娠中にコロナへ感染した体験として読むことはできません。ここからは、妻が感染した場合を考えるために調べた一般情報です。

一般の風邪・インフルエンザ・コロナを一緒に考えない

「風邪っぽい」という言葉だけでは、原因となっている感染症までは分かりません。コロナについて調べたリスクの数字を、すべての風邪に当てはめることもできません。

また、妊婦のコロナに関する情報も、流行した株や接種歴、基礎疾患、妊娠時期などで条件が変わります。国内の妊婦入院患者を対象とした研究でも、デルタ期とオミクロン期などで違いが報告されています。[8]

5学会による2025年の診療指針でも、流行時期による重症例の減少や、母子感染がまれであることが説明されています。一方、母体の症状が軽くても妊娠の経過に注意が必要な例はあります。[9]

古いニュースだけで最悪の結果を想像し続ける必要はないと思いますが、「今は軽いから大丈夫」と一律に考えるのも違う。妻の状態に合わせて医療機関へ相談することが、まずできる行動です。

出生後の発達については、研究の結果がそろっていない

妊娠中のコロナ感染と、子どもの発達との関係を調べた研究もあります。2022年の研究では、生後12か月までの診療記録を調べ、母親の妊娠中の感染と神経発達に関する診断との関連が報告されました。ただし、観察研究であり、感染が原因と確定したものではありません。[10]

その後、2024年の研究では、24か月までの発達スクリーニングとの関連は確認されませんでした。[11]

さらに2026年には、ノルウェーの約20万人の子どもを対象にした研究が公表されています。全体では神経発達に関する診断のリスク増加は確認されませんでした。一方、感染の判定がより確かだった時期に限った分析では、言語に関する障害との関連が残りました。[12]

研究ごとに対象や調べ方、追跡期間も異なります。「必ず影響が出る」「影響はまったくない」のどちらかに決められる段階ではありません。研究の数字を、そのまま自分の子どもの将来の確率として受け取らないことも大切だと思います。

追記:息子は生後11か月になりました

妻の妊娠中に自分がコロナになり、当時は妻やお腹の赤ちゃんへの影響が心配でした。その後、息子は無事に生まれ、生後11か月になった今も元気に育っています。

今振り返ると、できる対策はしつつ、まだ起きていないことまで心配しすぎなくてもよかったなと思います。当時の自分にも、今の息子の様子を見せてあげたいです。

今なら、検査結果と一緒に「家でどう過ごすか」も考える

今回の体験で残っているのは、最初の陰性だけでは終わらなかったことです。自分が比較的元気でも、妊娠中の妻がいる家では、食事や寝る場所、受診の相談まで考える必要がありました。

今なら、症状が出た時点で、夫婦がなるべく接触を減らせる過ごし方と、食事や家事を回す方法を先に整理します。妻に症状が出た場合や健診が近い場合の連絡先も確認しておきます。

感染対策の情報はたくさんありますが、家の広さや家族の状況によって、実行しやすい方法は違います。できることを決めて、必要なことは医療機関へ相談する。わが家の経験と、後から調べた情報が、その段取りを考えるきっかけになればと思います。

参考資料

[1] Fredianiほか「The New Normal」(査読版、2023年オンライン公開/2024年掲載)

[2] CDC MMWR「SARS-CoV-2 Viral Shedding and Rapid Antigen Test Performance」(2024年)

[3] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」(感染性・同居家族への対応)

[4] 日進市「家庭内における感染防止について」(2025年9月更新)

[5] 国立成育医療研究センター「妊婦さんの新型コロナウイルス感染症について」(家族の感染・症状時の相談)

[6] 国立成育医療研究センター「妊娠中のお薬Q&A」

[7] 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」

[8] 国立成育医療研究センター・国立国際医療研究センター共同発表「デルタ株・オミクロン株流行期の妊婦新型コロナ患者」(2022年)

[9] 5学会「新型コロナウイルス感染症 診療の指針2025」

[10] Edlowほか「Neurodevelopmental Outcomes at 1 Year」(2022年)

[11] Jaswaほか「In Utero Exposure to Maternal COVID-19 and Offspring Neurodevelopment Through Age 24 Months」(2024年)

[12] Magnusほか「Prenatal COVID-19 Exposure and Neurodevelopmental and Neurological Disorders in Children」(2026年)

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