はじめに
「Grafana Cloudって聞いたことあるけど、どうやって始めたらいいの?」
そんな方のために、今回はGrafana Cloudの無料プランを使って、ダッシュボード作成までを手軽に試す方法を、ステップごとにまとめました。
難しい設定やコーディングは不要。
この記事では、IoTやサーバーモニタリングの前段階として、ダミーデータの可視化とメール通知までを体験してみる構成です。
ステップ1:Grafana Cloudにサインアップする
- 公式サイト(https://grafana.com)にアクセス
- 右上の「Start for free」をクリック
- GitHub/Googleアカウントまたはメールアドレスで登録
- 使用地域(例:US、EUなど)を選択し、無料プランでセットアップ
🔰 無料プラン(Grafana Cloud Free)では、最大3ユーザー・10Kデータポイント/日まで使用可能です。
ステップ2:初期設定とワークスペース確認
- サインアップ完了後、Grafana Cloudのポータルに移動します。

2. 自動的にワークスペース(ダッシュボード管理画面)が作成されるので、「Launch Grafana」をクリック(結構時間がかかります)

3. 開くとこんな感じ
ステップ3:デモデータを使って可視化を試す
Grafanaには**「TestData DB」**という仮想データソースが用意されています。これを使えば、センサーデータなどがない状態でも、グラフ作成が体験できます。

左側の歯車マーク「Connections」→「Data sources」

上部「Add data source」をクリック

一覧から「TestData DB」を選択して追加。(Testで検索すると楽です)

下の「Save & test」で保存完了

building a dashboard のリンクから次のステップ4へ飛べます
ステップ4:ダッシュボードを作成してみる

左メニューの「Dashboard」

「Add visualization」クリック

データソースとして「grafana-testdata-datasource」を選択

下記のように設定 (default)
- Scenario:Random walk
- Series count:1
- Interval:1m (Query optionsから変更可能)

上部の「Query inspector」をクリック

右からスライドしてくるメニューの「Refresh」ボタンをクリック
そうすると、Objectの内容が表示され、グラフが表示される

グラフはこのような内容

グラフが表示されたら「Save dashboard」で保存

✅ ここまでで、ダッシュボード作成の基本を体験完了です!
ステップ5:アラートや通知設定も軽く体験
Grafanaではアラート通知も可能です。

先ほどのパネルに戻り「Alert」タブ→「New alert rule」をクリック

アラート条件を軽く設定してみる(実動作は必要なし)
アラート条件(Alert Condition):例
- WHEN:
Last
(最新の値を監視) - OF QUERY:
A
(通常デフォルト) - IS ABOVE:
0
(値が0より上になったらアラート)
「Preview alert rule condition」をクリックし、アラートが発火するか確認
最下部の「Save」を忘れずに!
例:
- Enter alert rule name:Testdata alert rule
- Define query and alert condition:grafana-testdata-datasource
- Add folder and labels:testdata
ステップ6:Mail通知の設定でアラートを受け取ってみる
アラートルールを作成したら、実際に通知を受け取る方法も確認しておきましょう。
Grafana CloudではSlackやWebhookなども使えますが、ここではもっとも手軽な「メール通知」の設定方法をご紹介します。
メール通知チャネルの設定手順
1. 通知先メールアドレスを準備
通常のGmailやYahoo!メールなど、普段お使いのメールアドレスでOKです。
ただし、迷惑メールフォルダに入らないように注意してください。
2. Grafanaで通知チャネル(Contact point)を作成

Grafana左メニューの「Alerting」→「Contact points」へ移動
「Create contact point」をクリック

- 名前:
Email Test
(任意) - Type:
Email
を選択 - Email addresses に通知先のメールアドレスを入力(カンマ区切りで複数可)
メッセージテンプレートはそのままでOK
「Save contact point」で保存
アラートルールにメール通知を割り当てる
先ほど作成した、Alert ruleへメール通知設定を割り当てます

Grafana左メニューの「Alerts &IRM」→「Alerting」→「Alert rules」へ移動

「testdata」→「testdata group」→「Edit」をクリック

作成したメール通知設定を登録すると、通知されます
テストメールを送信してみる

Contact point画面の設定の「Edit」を押します


右上「Test」→「Send test notification」ボタンを押せば、以下のようなテストメールが届くはずです:
おまけ:リアルデータの取り込みは次ステップで
以下のような方法でリアルタイムデータの取得も可能です:
- Node-RED経由で温度センサー等のデータをPOST
- AWS IoT + Lambda経由でHTTP連携
- PrometheusやInfluxDBからの取り込み
- Google Sheetsとの連携(外部プラグイン必要)
まずはTestDataで操作に慣れるのがオススメです。
まとめ
Grafana Cloudは、コード不要・インストール不要でダッシュボードを試せる優れたプラットフォームです。
特に「TestData DB」を使えば、誰でも数分で可視化体験ができます。
次は、温度センサーの実データ連携やIoT構成との統合に挑戦してみましょう!
よくある質問(FAQ)
Q. 無料プランでも通知は使えますか?
A. はい、Slackやメール通知が使えますが、回数制限ありです。
Q. TestDataは何分間データが出ますか?
A. 設定したIntervalにより変化します。デフォルトでは短時間でリセットされます。
Q. 日本語化はできますか?
A. 現時点では日本語UIは非対応ですが、操作自体は直感的で問題ありません。
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