日本の半導体関連ETFはここ数年で一気に増えました。
2644、282A、200A……正直、どれもそれなりに良さそうに見えます。
私自身もしばらくは 2644(FactSet Japan Semiconductor Index連動) を使っていました。
構成はきれいで、装置・材料・ロジックと幅広く、日本の半導体産業全体を捉えられるETFだと思っていたからです。
ただ、ここ最近になって考えが変わりました。
結論から言うと、今後の新規購入は NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信(200A)を中心にする、という判断に落ち着いています。
この記事では、その理由を整理します。
個別株としてのキオクシアは、正直ボラが大きすぎた
私は一時期、キオクシアを個別株で取引していました。
ただ、値動きがかなり荒く、
- 上がるときは一気
- 下がるときも一気
- 決算前後はほぼイベントトレード
という状態になりやすく、中期テーマとして保有し続けるには精神的コストが高いと感じました。
一方で、メモリ需要そのものは今後1〜2年は強いと見ています。
- AIサーバ・データセンターの増設
- HBMを含むDRAM需要
- 半導体を中心としたCPU消費量の増加
この流れを考えると、キオクシアを完全に外す判断も取りづらい。
そこで「個別ではなく、ETFで薄める」という方向に舵を切ることにしました。
2644を見直した理由:構造は良いが、今の相場とは噛み合わない
2644はFactSet Japan Semiconductor Indexに連動するETFです。
- 半導体製造装置
- 材料
- ロジック系
を中心に構成されており、指数の設計思想としては非常にきれいです。
ただし、キオクシアは構成に含まれていません。
直近1年の半導体相場では、キオクシアの上昇が指数パフォーマンスに大きく寄与しており、
この点で2644はどうしても取り逃しが発生します。
加えて、信託報酬は他の国内ETFと比べてやや高めです。
「長期で持つ前提」と考えると、今の相場環境ではコストとリターンのバランスに違和感を覚えるようになりました。
282Aは悪くないが、今回の目的とはズレていた
もう一つ検討したのが、半導体・トップ10型のETF(282A)です。
こちらは上位10銘柄に集中する分、リターンを狙いやすい一方で、
値動きもかなり尖ります。
今回やりたかったのは、
- キオクシアを完全に捨てない
- ただし個別株のボラからは距離を取る
ということだったので、
装置・ロジック寄りに集中する282Aは、目的と少しズレていました。
日経半導体株指数(200A)を選んだ理由
最終的に選んだのが、日経半導体株指数に連動する200Aです。
この指数の特徴はシンプルで、
- 時価総額の影響が大きい
- その時点で市場の存在感がある銘柄が効きやすい
という点にあります。
結果として、
キオクシアの上昇も下落も、指数の中で自然に吸収される。
個別株のように「一社の決算でメンタルを削られる」状態からは距離を置きつつ、
メモリ回復というテーマ自体は取り込める。
今の私の目的には、この形が一番合っていました。
テーマとしては少し雑。でも、それを承知で使う
正直に言うと、日経半導体株指数は
「純粋な半導体製造装置ETF」ではありません。
メモリ、ロジック、装置、周辺と、やや雑多です。
ただ、今の半導体相場は、
- AI
- データセンター
- メモリ
- ストレージ
が強く結びついており、どこか一つだけを切り出す方が難しいとも感じています。
その意味で、
「今の半導体」という少し広い括りをそのまま受け止めるETFとして、
日経半導体株指数は割り切って使える存在だと判断しました。
それでも注意している点
もちろん万能ではありません。
- キオクシアの決算次第で短期的に大きく振れる
- メモリ市況が想定より早く失速すれば逆風になる
- 装置相場が再び主役に戻ると相対的に弱くなる可能性もある
その場合は、再びETFの比率や種類を見直すつもりです。
結論:今は200Aをコアにする
まとめると、
- メモリ需要は中期で強いと見ている
- ただし個別株のボラは避けたい
- 信託報酬と構造のバランスを考える
この条件を満たす選択肢として、
今は200Aをコアにする、という結論に至りました。
相場が変われば、判断も変えます。
ただ、少なくとも「今の環境」では、
この選択が一番無理がないと考えています。
コラム|キオクシア比率が高すぎるのはリスクでは?
日経半導体株指数を選ぶとき、
多くの人が気になるのが 「結局キオクシア頼みでは?」 という点だと思います。
この懸念自体は正しく、
短期的にはキオクシアの影響がかなり大きい指数であることは事実です。
ただ、私がここで重視したのは
「キオクシアを避けるかどうか」ではなく、
どう持つか でした。
キオクシアは、
1単元あたりおよそ200万円前後 と金額が大きく、
個別株として保有すると、
- 1回の売買判断が重い
- 少しの値動きでも金額ベースの振れが大きい
- ポジション調整がしづらい
一方、
NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信(200A) であれば、
- 他の半導体関連銘柄と一緒に組み込まれる
- 比率は固定ではなく、市場環境で変動する
という違いがあります。
「キオクシアを持たない」のではなく、
「キオクシアに振り回されすぎない形で持つ」
そのための選択肢として、200Aを使っています。
(結論直後に挿入するミニコラム②)
コラム|メモリ市況が失速したら、200Aは終わる?
もう一つ、よくありそうな疑問がこれです。
メモリ市況が崩れたら、日経半導体ETFも全部ダメなのでは?
これについても、
短期的な影響は避けられないと思っています。
ただ、日経半導体株指数は
「特定分野だけに固定で賭ける指数」ではありません。
- メモリが弱くなれば
- 装置やロジックが相対的に強くなる
といった形で、
その時点で市場の存在感がある銘柄に自然と重心が移る構造です。
もちろん万能ではありませんが、
「どの分野が主役になるか」を個別で当てに行くよりも、
指数に任せた方が無理が少ないと考えています。
Q&Aコーナー
- Q2644(FactSet連動ETF)はもう不要ですか?
- A
いいえ、そうは思っていません。
2644は装置・材料寄りの構成で、装置相場が主役の局面では非常に相性が良いETFです。今回は
- メモリ不足が意識されている相場
- 自分の保有目的
が噛み合わなかっただけで、
相場環境が変われば再び選択肢に入る可能性はあります。
- Q半導体ETFはどれくらいの期間持つ想定ですか?
- A
私自身は 中期(1〜3年) を意識しています。
半導体は構造的な成長分野ですが、
同時に 循環(サイクル)も強い業界です。永久保有というよりは、
相場環境や主役の変化を見ながら
定期的に見直す前提の投資と考えています。
- Q個別株はもうやらない方がいいのでしょうか?
- A
そういう意味ではありません。
個別株は、
- 情報収集に時間をかけられる
- ボラティリティに耐えられる
人にとっては、今でも有効な手段だと思います。
今回はあくまで
自分の性格・許容できるリスク・今の相場環境を考えた結果、
ETFの方が合っていると判断しました。
投資判断は、正解か不正解かよりも
「自分が続けられる形かどうか」 の方が重要だと思っています。
今の私にとっては、
日経半導体ETF(200A)がその形でした。


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