退職する同僚から受け取ったメッセージ
今日、僕の職場から一人の同僚が退職していきました。
彼はいつも冷静で頼りがいのある人で、正直「この人がいなくなったら困る」と思ってしまうくらいの存在でした。退職の理由は――MBAに挑戦するため。これを聞いたとき、「あぁ、まさに“Stay Hungry”を体現しているな」と思わずにいられませんでした。
最後に彼が僕に残してくれた言葉が、あの有名なフレーズです。
“Stay Hungry. Stay Foolish.”
言葉自体はスティーブ・ジョブズのスピーチで広く知られています。でも、彼の口から出たとき、それは単なる名言ではなく、「人生を賭けて次のステージに挑む決意表明」のように聞こえました。
その瞬間、僕は自分自身のこれまでを振り返り、そしてこれからどう生きていくかを考え直すきっかけをもらったのです。今日は、その考えを少し整理して、読んでくださるあなたと一緒に「妥協しない生き方」について考えてみたいと思います。
1. Stay Foolish.:自分の「回り道」を信じる勇気
「Stay Foolish.(愚か者のままであれ)」と聞くと、どうしても「バカになれ」とか「破天荒であれ」といったイメージが先に浮かびます。でも僕は、この言葉を「常識にとらわれず、世間の目や体裁を気にしない勇気を持つこと」と解釈しています。
25歳まで遊んだ学生時代
僕はかつて「25歳まで遊ぶ」と決めて、就職活動に全力を注ぐこともなく、アルバイトや趣味に時間を費やしていました。
世間的には「だらしない時間」や「モラトリアム」に見えたかもしれません。
でも、振り返ってみると、その時間は僕にとっての「社会性という名の授業料」でした。
社会人サークルで年齢も立場もバラバラな人たちと交流する中で、やらかした失敗も数知れずありました。けれど、それらはすべて「対人関係の予行演習」になったのです。
結果として、いざ社会に出たとき、どんな相手とでも臆せずに話せるコミュニケーション力が備わっていました。世間が「怠惰」と呼んだその時間は、実は僕にとって最高の「社会性のブートキャンプ」だったのです。
これが、僕の人生で最も「Foolish」な行動であり、同時に最もプライスレスな経験でした。
妻の「Foolish」な挑戦
僕の妻もまた、自分のやり方で道を切り拓いた人です。
彼女は学生時代に留年や浪人を経験しました。そのときは周囲から「不器用だな」とか「遠回りしているな」と言われたこともあったようです。それでも彼女は心の直感を信じ、諦めずに進み続けました。結果として、今は看護師として働いています。
一見「不器用」に見えるその道は、実は「自分の心に従う勇気」の証明だったのです。
僕はそんな彼女を心から尊敬していますし、「人生の回り道もまた意味がある」ということを日々教えてもらっています。
2. Stay Hungry.:満足せずに「点を打ち続ける」姿勢
「Stay Hungry.(ハングリーであれ)」は、単純に「欲張れ」という意味ではありません。僕にとっては、「現状に満足せず、常に学びや経験を渇望すること」です。
キャリアでの渇望
振り返れば、僕は常に「安定より成長」を選んできました。
子会社への出向、転職を視野に入れたキャリアの模索、大学での学び直し、資格取得への挑戦――どれも安定志向の人から見れば「危なっかしい」選択かもしれません。
でも、それらの決断は全部、「今の自分に満足していない」証拠でもあります。ジョブズの言葉を借りれば、「より素晴らしい仕事を見つけたい」という渇望に突き動かされてきたのです。
知的好奇心での渇望
仕事だけではありません。僕はブログを書き、株式投資に挑戦し、新しい技術を試すことが好きです。これらはどれも、単なる趣味の延長に見えるかもしれません。
でもその裏には、「もっと知りたい」「新しい価値を生み出したい」というハングリーな知的探求心があります。学んだことをアウトプットして誰かの役に立てる瞬間は、何よりも満たされる瞬間です。
結局のところ、僕にとって「Stay Hungry.」とは、日々の小さな挑戦を積み重ねることなんだと思います。
3. 「他人の評価を気にしないこと」こそStay Foolishの真意
僕の学生時代は、「就職活動」や「キャリア」といった世間の“正解ルート”からあえて外れた時期でした。これを、ジョブズの言葉と重ねるなら――
「あなたの時間は限られている。だから、他人の人生を生きて時間を無駄にしてはいけない。最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。」
「世間が望む学生像」を演じるのをやめ、自分の直感に従った。結果として、「他人の評価に縛られない勇気」を手に入れました。
MBAを選んだ同僚もそう。僕もまた、「現状肯定の思い込み」に囚われず、「Hungry」に自分の人生を追求し続けたいと思います。
結論:失うものはない、自分の心に従え
人生を振り返ると、「あのとき回り道をしたな」と思う場面はいくつもあります。でも、その一つひとつが今の自分を形づくっている。だからこそ、これからも回り道を恐れずに進みたい。
間もなく僕たちには子どもが生まれます。守るべきものが増えるからこそ、「死を意識すること」の重要性を感じています。スティーブ・ジョブズはこう言いました。
「プライドや失敗の不安は、死の前には何の意味もない」
そして、あの有名な一節――
「あなたは既に裸だ。自分の心に従わない理由はない」
僕にとって「Stay Hungry. Stay Foolish.」は、格好いい名言ではなく、「これからも新しい自分に挑み続けるための指針」です。
次の点を打つのは、あなたかもしれません。
僕もまた、この言葉を胸に、人生の回り道を肯定しながら、挑戦を続けていきます。
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